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「楽しく働く」ということを世の中に広めていきたい。

【株式会社ZOZO】今回は、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営し、今もなお拡大を続ける株式会社ZOZOの魅力について、社長室 室長 兼 人自本部 本部長の西巻さんに伺いました。

西巻拓自さん
2005年に商品管理担当としてアルバイト入社。翌年正社員となり、2011年に経営企画室ディレクターに就任。同年、中国法人の総責任者等に就任。帰国後の2014年、社長室 室長に就任。現在は社長室 室長、人自本部 本部長を務めている。

 

会社は世界平和の実現のための絶好のツール

 

―本日は、株式会社ZOZOさんの魅力を、学生や転職を考えている若い方々に伝えられればと思っております。よろしくお願いします。
現在ZOZOTOWNは日本中の誰もが知る存在となっていますが、創業時のお話を教えてください。

西巻:
元々は当社代表取締役社長の前澤がバンドマンでして、自分が海外から買ってきたレコードやCDを自らのライブ会場で販売していました。彼はキュレーションのセンスがとてもよく、またバンドにもコアなファンがついていたこともあって、前澤が選ぶレコードやCDならばすごく面白いアーティストなのではないかと、とても人気だったようです。その結果、もっとこの活動を広げようということで輸入レコードやCDをカタログで販売するようになり、その後、インターネット通販に移行しました。すると、その勢いは止まらず、音楽と同じくらい好きだったアパレルの商材も取り扱い始め、今のZOZOTOWNの形へと変化していきました。

ー西巻さんとZOZOさんとの出会いはどのようなものだったのですか?

西巻:
私は服が好きだったのですが、当時人気だったストリートブランドは原宿や恵比寿の店舗に行ってもすぐに売り切れてしまっている状況でした。そんな中、ストリートブランドがインターネットで売っていることを知り、そこで見つけたのがZOZOTOWNの前身となるファッション専門の通販サイト「EPROZE(イープローズ)」でした。当時、私もバンドをしていたのですが、ちょうどこのままだと人生が危ないと思い、バイトを探し始めたタイミングだったので、2005年9月にこZOZOTOWNを運営する株式会社スタートトゥデイにアルバイトとして採用してもらいました。

ー当時のスタートトゥデイ(現:株式会社ZOZO)に入社した時、今のような大きな会社になることは想像できましたか?

西巻:
私は最初物流倉庫のアルバイトで入社し、倉庫の担当が当時30人ほどいたのですが、その時前澤に「あっという間に100人、200人、300人規模になるからな。みんなはそこのリーダーになっていくんだから、覚悟しとけよ!」と言われたんですよ。ただ、当時23歳の私は、「へぇ~マジか、頑張らなきゃ」という漠然とした印象でしたね(笑)。その後は、前澤が言っていた通り、アルバイトの入社は止まらない、社員登用も止まらない、倉庫に届く商品の量も止まらないという感じでした。今となればすごい経験をしていたのでしょうけど、当時は好きな洋楽を大音量で流しながら、キャップを後ろ向きに被って、ダボダボのズボンを腰履きして、商品の検品をしていました。休憩時間はみんな休憩スペースで、タバコ吸ってサッカーボール蹴ってスケボーで遊んでという感じで、もはや会社ではなく学校みたいな感じでしたね。ただ、みんな好きなことを楽しく、でも「やる時はやる」というメリハリをつけて仕事をしていました。

ーその当時から前澤社長は「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」というビジョンをお持ちだったのですか?

西巻:
そのビジョンを社員に対して初めて口にしたのは新卒採用が始まった時で、そこで経営理念というものができました。前澤は、「2001年のアメリカ同時多発テロで、大勢の人が一瞬で命を奪われる衝撃的な映像を見たとき、小さい頃から競争や争いが嫌いな僕は過剰に反応して、涙が止まらなかった。そして、もう二度とこんな事件があってはいけない、このまま見て見ぬふりをし続けてはいけないと強く決意した。これを境に、会社のあり方を考え直し、社会や人の役に立つことで、多くの人が安心して笑顔で暮らせる世界の実現に貢献していきたいと思うようになった。」と言っていましたね。その理念は今も変わらないです。

ー最初はストリートブランドを扱っていたということですが、大衆向けに変化していったのには、やはりその理念の影響があったのでしょうか?

西巻:
そうですね。我々は企業理念としては「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」、事業理念としては「つながる人を増やす」ということを掲げています。世界中を笑顔に、そして平和にしていくためには、多くの人と繋がっていかなくてはいけない。簡単に言えば、影響力を持つ会社でなければならないということなんですね。「ZOZOTOWNは、たくさんのお客さまと繋がり、笑顔を生み出すことが大きな目的だから、自分たちが得意としている分野だけではなく、少しずつ範囲を広げていかなければならない。」そのような考えで、コアなブランドだけでなくマス向けに取り扱いブランド数を増やしていきました。逆に、ストリートブランドが好きな社員たちは、自分たちの好きなサービスがマス化していくことに対する葛藤はあったと思うんですよ。でもやってみたら、ブランドさんの担当者の方にはすごくいい人も多いですし、だんだんと愛情も大きくなっていくんですよね。さらに、「あっ、こんなアイテムあったんだ」みたいな、これまで知らなかった一面も見えてきます。そうすると、今まで知らなかったブランドも、どんどん好きになっていくんですよ。

 

ZOZOの軸は「好きなことをする」

 

ー事業を行う上でのこだわりを教えてください。

西巻:
好きなことをするということですね。好きじゃないことはするべきではないですし、得意なことをするべきだと考えています。例えば前澤で言えば、元々アーティストでしたけど、もっといい曲を書ける人はいますし、自分が本当に輝くのは音楽のフィールドじゃないと思ったらしいです。そこで自分はビジネスで世界を変えていきたいと思い、ビジネスの方にシフトチェンジしていきましたが、私たちの事業である「ZOZOTOWN」、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」、プライベートブランド「ZOZO」、ブランド古着のファッションモール「ZOZOUSED」は全て前澤が大好きな服に関することです。彼はさらにゴルフもすごく好きなので、ゴルフ界最高峰のツアー団体PGAツアー参画の件は、夢のような話だったと思うんですね。あと、ZOZOマリンスタジアムのネーミングライツやジェフユナイテッド市原・千葉さんとスポンサー契約をさせていただいていますが、これも地元の千葉を愛する気持ちから実現したものです。好きや感謝の気持ちというか、育ててもらった地なので、家族愛に近い愛情ですよね。このように、ZOZOでは事業を行うにせよ、スポンサー契約を結ぶにせよ、「好き」という軸を大切な判断基準にしています。

ーZOZOで働きたいという人は、どのようなモチベーションの方が多いのですか?

西巻:
ZOZOTOWNが好きで、自分もユーザーだった人が多いですね。あとは社名変更の新聞広告やメディアでの掲載記事などを見て、ZOZOの価値観、姿勢に共感してくれる人ですね。地方に住んでいる場合はアパレル店舗が遠いので、休みの日はずっとZOZOTOWNを見ていて、ZOZOTOWNが生活の一部でしたという人が多く、そこに携われるということをモチベーションに採用面接を受けに来てくれる人もいます。

ー前澤社長はメディアにも度々取り上げられていますが、西巻さんから見た前澤社長はどのような方ですか?

西巻:
非常に気さくで、左脳と右脳のバランスがすごく取れている人だと思います。エクセルの数値の整合性が取れていないところをすぐに指摘してくることもあれば、「数字は関係ない、自分たちがやりたいならやるべきだ。」と言うこともあるんですよ。彼は、何かを実行した時の最高のケースと最悪のケースを振り切って瞬時に考えた上で判断をしています。定量面と定性面をバランスよく攻めてくるので、一言でいえば、実態のつかみにくい人ですかね。普通はどちらかに寄っている人が多いので、前澤みたいなタイプはなかなか見ないですね。

ー前澤社長と社員さんとの距離は近いのですか?

西巻:
近いですね。「おっ、久しぶりじゃん。楽しんでる?」って、前澤は社員に毎回こう言うんですよ。これは昔からで、僕が倉庫で働いている時もそうでした。その時は前澤が話しかけてくれるだけで、ものすごく嬉しかったですね。今も昔も私にとっては兄貴分みたいな存在です。

 

楽しく働けるかは自分次第

 

ーZOZOさんの世の中への一番の提供価値を教えてください。

西巻:
「楽しく働こうよ」という価値観を伝えることだと思います。ある程度苦労や辛い思いをしたこととのトレードオフでお給料がもらえるところが会社というのが、なんとなく日本人の美徳として持たれがちですよね。ただ、そうではなくて、楽しく幸せに働いていてもお給料がもらえるということ、もっと言うなら働くことの本来の目的はお金ではないということを我々が発信していき、労働の概念をアップデートしていくべきだと考えています。前澤とも楽しく働くとはどういうことなのか、紐解いていこうという話をしていますが、その中でも「つまらない仕事があることもわかっている。でも、そういう仕事こそ、どうやって楽しむかを考えて、好きな人と楽しくやってほしい。」と言っていましたね。

ー楽しく働けるようにする制度はありますか?

西巻:
検討はしていますが、今は特にないですね。楽しく働くには1つポイントがあって、僕らが人自部として福利厚生をすごく充実させて、みんなが楽しめる社内企画をたくさん作ったところで、会社に楽しめる環境を用意してもらったから楽しめるようじゃダメなんですよ。結局ポイントになってくるのは、社員の自主性をどうやって引き出すかなんです。楽しんでいいよ、自由にしていいよという環境は用意しておきます。でも、与えすぎはしません。例えば、楽しめる船に自分が乗っていて、楽しめていない船に多くの社員がいるとしたら、こっちに来なよと抱っこして移すということはしたくないということです。自分の足で踏み込ませたいんですよね。結局そうしないと、仕事が自分ゴト化しないんです。今、日本のほとんどの人が受動的に働いていると思いますが、そこを私は変えたいんですよね。前澤自身もよく「自分次第だから」という言葉を使いますが、この考え方を理解できる人が管理職に就いていく傾向があります。ただ手厚いだけの制度や社内企画をやるのは、正直簡単なんですよ。でも、実行した時にどういった状態になるのかを考えた上で、いつどういうタイミングで、どういう伝え方をしていくかがすごくポイントになります。「きちんと理念があって、そこに行動指針がある、だからこういう制度があるんだ。」というストーリーが、全ての制度にあるべきだと考えています。これからも「楽しく働く」という価値観を社員や世の中に対して、発信し続けていきたいと思います。

 

―楽しく働くことを常に考えるZOZOさんの姿勢に大変感銘を受け、この4月から社会人になる私も、自身の自主性を大切にしていきたいと思いました。本日は素敵な取材をさせていただき、本当にありがとうございました。