株式会社やまと/“きもの”の可能性を信じて、 革新を続ける。

株式会社やまと

“きもの”の可能性を信じて、 革新を続ける。

創業102周年を迎える株式会社やまとさん。全国に店舗を展開しながらも、EC化や海外発信など、きもの業界に新しい風を吹かせ続けるやまとさんに、その志をお聞きしました。

株式会社やまと 矢嶋孝行さんさん

矢嶋孝行さん
2019年4月よりやまとの代表取締役社長に就任。「KIMONO DREAM MAKERS」をビジョンにかかげ、きものでエキサイティングな世の中をつくることを目指しています。

「きものを一部の上流階級の人たちのものにしてはいけない」
創業から受け継ぐ想い

―本日はよろしくお願いいたします。はじめに、やまとさんの事業内容について教えてください!

矢嶋:

私たちは、大正6年から100年以上続くきもの屋さんです。元は、私の曾祖父がはじめた“矢嶋呉服店”をルーツとしています。その当時から、「きものをより多くの人に届けたい」という想いで、サプライチェーン展開をしています。1990年にはきものを“特別な日にだけ着る”という固定概念を刷新しようと「きものファッション化」を提唱したり、また、2004年には「きものカジュアル化」を提唱したりと、日々きものの可能性を信じて走り続けてきました。

―100年の歴史はすごいですね!実際に、私もやまとさんのお店を見かけたことがあります!

矢嶋:

ありがとうございます。現在は、「きものアパレル化」を推進しており、 「Y. & SONS」「THE YARD」といったやまとのオリジナルブランドも誕生しました。世界最大のメンズ展示会である「ピッティ・ウォモ」でも「Y. & SONS」は注目を浴び、まさに今世界でもファッションとしてのきものの価値が高まっていると感じています。

―「Y. & SONS」「THE YARD」のサイトを拝見しました!きものなのに現代的でとってもおしゃれですね。貴社の企業理念にも“きものが特別な服だという先入観を捨ててほしい。”という文言がありましたが、これは創業当時から続く考え方なのですか?

矢嶋:

そのコーポレートメッセージを作ったのはごく最近なのですが、考え方はずっと変わりません。矢嶋呉服店を引き継いだ私の祖父から受け継がれているあるエピソードがあります。それは戦後2年たったある日のこと。ひとりの女性が一着のきものを矢嶋呉服店に持ってきたそうです。そしてその女性は私の曾祖父にこう伝えたそうです。「大切にしてきたきものだから、また別の誰かに大切に使ってもらいたい。」と。当時はきものの生地は貴重な資源でしたから、質屋に持っていけばそれなりにお代がもらえたでしょう。しかし、その女性はわざわざ呉服店に持ってきたのです。私の祖父は戦時中、出兵もしていましたから、悲惨な世の中を知っていました。そのこともあり、「日本よ永遠であれ」という願いをこめて、「矢嶋呉服店」から「やまと」に名前を変えたのです。以降、「きものを一部の上流階級の人たちのものにしてはいけない」と考えた祖父は、アメリカまでチェーンストア理論を学びにいきました。

―長い歴史を感じます。そして、アメリカまで学びに行かれたのですね。

矢嶋:

そうです。しかも、戦後まもなくの時代ですよ。今まで敵国だったアメリカにひとりで経営学を学びに行くには、強い信念がなければなせなかったと思います。

きものの情報をオープンに。
ものづくりの産地をオープンに。

―それほどきものへの気持ちが強かったのですね。創業者の想いをずっと引き継いできたやまとさんならではのこだわりや強みは何でしょう?

矢嶋:

先の話に戻ってしまいますが、「きものを一部の上流階級の人たちのものにしてはいけない」という精神の下、チェーン展開やアパレル化を推進していきます。またオンラインサイトでは、常にオープン価格で、二重価格はしないと決めています。卸店などでしばしば使われる二重価格販売では、販売価格と比較して原価や希望小売価格など高めの値段をお客様に提示することでお得感を持たせることができます。しかし、私たちの真の目的はきものを売ることではありません。いいものをできるだけ低価格で提供したい。また、「きものの価格をもっと見せたい」と思っています。きものってなんだか高いイメージはあるけど、意外に相場は知られていません。ですので、「やまとならこの絹でこの値段」と示していくことで、お客様にとってきもののプライスリーダー的存在になれたら嬉しいですね。

―たしかに、きものについては知識が乏しく、少し敷居が高いイメージもありますので、オープン価格は嬉しいですね!やまとさんはきものの生地にもこだわりがあるのですか?

矢嶋:

生地は産地によって特徴が異なりますから、私自身、産地にはよく足を運んでいます。ものづくりの現場を大切にすることで、オリジナル商品にもこだわりが反映されていくのです。

―社長が直々に現場に行かれるのですね!

矢嶋:

珍しいかもしれないですね。ですが、この習慣は私の祖父から続くものなんです。私自身は、祖父の写真をあまり多く持っていないのですが、産地に行くと祖父が映っている写真がたくさんあるんですね(笑)。それくらいやまとと産地の繋がりは強いんだと感じています。産地に足を運ぶ理由は他にもあります。一つは、お客様が求めているものをきちんと産地まで伝えに行くということ。もう一つは、お客様が今後求める可能性があるものを、きちんと仮説を立てて伝えに行くということです。これらはとっても大切な考え方だと思っています。よく川に例えられますが、産地である川上と私たち川下にはやはり距離があるので、川上にはなかなか情報が伝わりにくい。その距離をなるべく埋めることで、世の中に必要とされているものづくりをしよう、というわけです。

これからのやまとは、
きものでエキサイティングな世の中をつくる会社へ

―漸進的で素敵な考え方ですね!それを代々続けられているというのは驚きです。これからのやまとさんはどのような会社になっていくのでしょう?

矢嶋:

現在、新しくかかげたビジョンは「KIMONO DREAM MAKERS」です。きものでエキサイティングな世の中をつくる、という願いを込めています。きものって“わざわざ”着るものですが、その時はちょっとワクワクした気持ちになりませんか?きものの魅力、伝統、文化をやまとのやり方で伝えていけたらなと思います。

―やまとさんならではのやり方とはどのようなものでしょう?

矢嶋:

革新ですね。100年以上の歴史を持つ私たちだからこそ、革新をすることに意味があると思っています。歴史のないものが革新をしたら、それはアヴァンギャルドというものです。文化や伝統は、時代に合わせてわかりやすく伝えていくから革新となり、続いていく。私たちやまとには、長い歴史で培った信頼を武器に、革新を続けていく使命があると思っています。ですが、文化を振りかざして人を傷つけることはしてはいけないですね。それは文化自体を傷つける行為でもありますから。どんな文化も受け入れて尊重し合うことで、繁栄し、成長するのだと信じています。

矢嶋:

たとえば、きものフェスなんて面白そうだな、と。夏に音楽フェスが開催されることありますよね?あれにきもので参加するのは少しワクワクするなと思ったんです。だけど、夏だと雨が降りますよね。じゃあ、アウトドアのきものをつくっちゃおう!ということでアウトドアメーカーの「Snow Peak」さんとコラボしたきものを実際につくったりもしました。

―楽しそうですね!友達ときものフェスに行って、写真撮り合いっことか!(笑)

矢嶋:

いいですね!(笑) そういったお客様の前向きな気持ちを喚起していくことが、まさに「KIMONO DREAM MAKERS」に込められた想いです。

あと、私が入社したのが7年前なのですが、その頃よりも世の中の人々のきものに関する知識、関心が薄れているように感じます。そもそも日本でまだきもののものづくりが残っていることを知っている人も少ないです。きものが絹でできていることを知らない人もいるかもしれません。そういった背景を考えても、やはりこの伝統を伝えていくことを大切にしたいです。しかし、これらを伝えながらどうビジネスに転換していくかという点には、まだまだ課題があります。個人としても、会社としても、少しずつ前進していきたいですね。

―そんなやまとさんが今後一緒に働きたい人とはどのような人ですか?

矢嶋:

“ベンチャースピリッツ”を持っている方ですかね。やまとは100年続く歴史の深い会社ですが、だからこそ忘れてはいけないのが“ベンチャースピリッツ”、“チャレンジ精神”です。日本の伝統文化であるきものを後世に伝えていくためにも、革新を目指す。これは大きな“ベンチャースピリッツ”が必要になってくるのではないでしょうか。

―やまとさんだからこその重みのあるお話をたくさんお聞きできました!本日は本当にありがとうございました!

矢嶋:

これから社会人になると思うけど、社会人楽しいよ。頑張ってね。

〜編集後記〜
きものは、伝統的でちょっと近寄り難いイメージがありましたが、実際には現代人であるわたしたちと共に歩み続けている文化なのだと感じました。また、産地へ実際に行くこだわりや、きものにかけてきた想いが強く伝わってきました。矢嶋社長は、きものが似合う重厚な雰囲気を持ちながらも、気さくで、お話していると元気をもらえる明るく優しい方でした!やまとさんのこれからの100年が楽しみです!

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企業理念

KIMONO DREAM MAKERS

私たちは、信じている。
きものには無限の可能性があることを。

きものが特別な服だという先入観を捨ててほしい。
きものにもっとワクワクしてほしい。
自分の着姿の美しさに驚いてほしい。
日常の中で肩肘張らずに愛してほしい。
きものでテンションを上げ、
あなたの人生をポジティブに彩ってほしい。
日本に生まれた歓びを実感してほしい。
そして世界中の個性をリスペクトしてほしい。

そのために私たちは、チャレンジし続ける。
きものの常識を変え、日本文化の常識を変えていく。
産地とのネットワークを活かしながら、
モノを超えた、新しいきものムーブメントを生み出していく。
この国に、豊かで魅力あふれる未来を育てていく。

長い歴史の中で信頼を培って来た私たちだからこそ、
誰よりも革新的であり続ける。

私たちは、やまと。
きもので心躍る夢を実現していく会社です。

Company Profile

社名
株式会社やまと
設立
1947年(昭和22年) 創業:1917年(大正6年)
代表者
代表取締役社長 矢嶋 孝行
資本金
2億円
従業員数
1,090名
事業内容
オリジナルブランドをはじめとしてきものの開発・販売
本社住所
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目27番3号
会社URL
https://www.kimono-yamato.co.jp

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