有限会社高丸食品/日本一おいしい納豆と、 <br>地産地消の元気な<br>農業づくりに挑む。

有限会社高丸食品

日本一おいしい納豆と、
地産地消の元気な
農業づくりに挑む。

今回お伺いしたのは、愛知県大府市にある納豆メーカー、高丸食品さま。全国納豆鑑評会で3年連続の最優秀賞を成し遂げた、日本一おいしい納豆づくりのこだわりを教えていただきました。それだけにとどまらず、食品メーカーとして見据えているのは、日本の農業そのものを応援すること。住宅街にひっそりたたずむ会社の、大きな目標をお届けします。

有限会社高丸食品 さん

高丸喜文さん:高丸食品の二代目社長。入社当初はサーフボードを営業車に積み、配達後に趣味のサーフィンを楽しんでいたそうですが、ある出会いをきっかけに価値観が変わり、納豆の製造を自ら志願。努力を重ね、日本一になったいまも納豆のおいしさと可能性に挑戦し続けています。

人生を変えた、石川社長との出会い。

―本日はよろしくお願いいたします。まずは今までのご経歴から教えてください。

高丸:

父が経営する高丸食品に入社したのは、私が23歳のときです。そのころは、父親と何回もケンカをして、会社をやめたり入ったりを繰り返していました。いま思えば中途半端にしか会社のこと、納豆のことを考えていませんでしたね。

―具体的にはどのような点でしょうか。

高丸:

当時は、値段で勝負してしまっていたんです。入社して数年間、営業をしていたのですが、セールスの仕方も全くわかっていなかった。時代の流れで、大手の一括管理のスーパーが増えていくと、売り場を自由に使わせていただくことが難しくなりました。他社の納豆もどんどん参入してきますから、商売はやりにくくなっていく。でも売上げを下げないようにと、若気の至りで、他社より安くすることばかり考えていました。

売上は上がるけれど、利益は度外視ですから、自分の首を絞めるような状況でしたね。それが20年くらい前の話です。

―考え方が変化したきっかけはなんだったのでしょう。

高丸:

ある、おとうふ屋さんとの出会いで自分の価値観は変わりました。当時、地元に新しくできた産地直売所に、一丁250円なのにバンバン売れるとうふがあったんです。20年前に250円のとうふが売れるって不思議ですよね。「おとうふ工房いしかわ」という会社で、その社長の石川さんとお話しする機会をいただけました。安売りの話をしたら叱られたよね。

「お父さんが朝早くおきて一生懸命作ったものを、そんな売り方してちゃだめだ」と。

ありがたいことに、そこから石川さんとのお付き合いが始まり、商売のいろは、経営者としての姿勢まで、本当に様々なことを教えていただきました。

―特に印象に残っているできごとはありますか?

高丸:

ある日、石川さんが「岩手にいくぞ」と。わけもわからずついていくと、大豆の生産者さんに会わせてくれたんです。その方が本当に真剣な想いで大豆をつくっていること、そんな大切な大豆を、我々が加工してお客様のもとに届けていることを初めて知って、ショックを受けました。

そのとき石川さんに教えていただいたのは、“商品にストーリーを持たせる”こと。値段ではなく、商品の背景にある想いのファンになってもらうこと。

なぜなら、売上げよりも、応援してくれるファンを増やすことが大切だから。そのために生産者さんの想いも含めて売っていく必要があったんです。

「君がやっていることが、本当に社会に貢献する行動なら、しかるべき人はみんな応援してくれるはずだから」という言葉は、いまでも大切にしている考え方です。

安さよりも、価値を売る。

―そこから納豆の製造を始められたそうですが、いま納豆づくりで大切にしていることはなんでしょうか?

高丸:

価値が高いものをつくることです。昔は安さとボリュームが重視される時代もありましたが、いまは物質的な豊かさは満たされて、心の豊かさが大切な時代です。

例えば、子育ても終わった年配の方で、たくさんは食べられないけど、おいしいものを食べたいという人がいる。他にも、旦那さんや家族においしいものを食べて喜んでもらいたいと願うお母さんがいる。

そんな期待を持って、うちの納豆を選んでくれた人たちを裏切っちゃいけない。だから、100回食べ比べても、必ず違いがわかる納豆をつくっていきたい。うちの納豆を食べて50回しか分かんなかったら、うちがやる意味がなくなってしまうよね。目指してるのは、食卓の喜びになるような価値をつくることなんです。

―価値をつくる。すてきですね!例えば他の納豆とどんな違いがありますか?

高丸:

一般的な納豆は、すごく粒がちっちゃくて、タレの味で食べるものが多いですが、うちの納豆は純粋な豆の旨味を味わってもらえます。もちろんタレもついてるけど、化学調味料や着色料、余分なものは一切入れてません。旨味成分は本来、素材から出る天然のアミノ酸ですから、人工的な味付けをしなくてもおいしさはつくれるんです。

豆自体も100%国産で、無農薬のものもあります。おいしさと健康が両立されることが、本当の意味での喜びですよね。それなのに、人工的な成分が体に入って蓄積される。それは本当に健康食品である納豆に必要なことか?と考えています。

―健康にいいと言われる納豆だからこそ、余計なものはいらないんですね。

デジタルとアナログでおいしさをつくる。

―どうやっておいしい納豆をつくっているのでしょうか?製造のこだわりを教えてください。

高丸:

機械まかせではなく、人の手をかけてつくることですね。例えば、発酵の温度管理には昔から手間ひまをかけています。以前は夜も1時間おきに私が会社にきて確認していましたが、今はスマートフォンで確認しチームで管理できるようになりました。ただし、データに便りきらず、最終的には「納豆の顔」を直接見て、発酵の度合いを判断します。

できあがった納豆も必ず味を確かめ、他社よりもかなり高い基準で合否を判定しています。長年つくり続けてきた勘とデータをミックスさせているので、カン(勘)ピュータとベロ(舌)メーターなんて言ってます。

高丸:

そして、ずっと大切にしてきたのは、大豆の生産者さんに必ず会いにいくこと。農場に訪れることで、土づくりや、農薬の散布状況などを確認し、納得した豆だけを仕入れるというこだわりを持っています。

また、単に生育状況をみるだけでなく、農家さんに「僕があなたのつくった大豆を納豆にしています」と伝えられることも重要です。お客さんだけじゃなく、農家さんにも自分のファンになってもらうことが、納豆の品質をあげる秘訣です。そういう意味では、デジタルとアナログを交互に大切にするような会社だね。

―人の手間や気持ちも大切にすることが、独自性を生んでいるんですね。

地産地消のモデルとなり、
日本の農業を応援する。

―今後のビジョンを教えてください。

高丸:

私が思い描いているのは、日本の農業を応援する、という目標です。日本の農業の自給率を上げるために、自分たちが地元で作物を育て、加工して、食べてもらえる流通をつくっていく。そんなロールモデルになろうとしています。

具体的な施策の1つ目は、スーパーを介さない直接販路の確立です。自分たちがつくったものを消費者へ直接届けるために、毎週土曜日に本社前で朝市を開催しています。他にも、地域のマルシェへの参加や、愛知県内で移動販売を行なって、地元の人に地元の食品を紹介しています。

今後は、飲食スペースも開発していきたいです。自分たちのつくったものを食べてもらう瞬間までは、いま見られないですから。つくる人、食べる人のつながりを生み出していきます。

―消費者の方と直接つながると、価値やストーリーも伝えやすくなりそうですね。他にも取り組みはありますか?

高丸:

もうひとつの大きな取り組みは、オール愛知の商品開発です。愛知県の農家さんや企業とタイアップして、大豆も、タレも愛知県産。パッケージは名古屋のデザイン学校の生徒さんが担当で、地産地消型の商品を開発しました。

高丸:

実は、愛知県でとれる豆は、納豆向きではないので、かなりチャレンジしています。明らかに北海道産のほうが納豆には向いているかもしれない。けれど、私たちは食品会社として、次のステージへ進みたい。愛知県でとれた作物を、愛知県の企業が加工し、愛知県の皆さんに食べてもらう、この流通自体をつくっていきたいんです。

―なぜそんなに地産地消にこだわるんでしょうか。

高丸:

日本の農業を応援するということは、各地の農業を応援するということです。将来的には、農業そのものに携わり、作物を育てることから、届けることまで、全部を一貫して担う食品会社になっていきます。そうしてロールモデルになれたら、他の県でも取り入れてもらえますよね。それが、各地の農業を応援し、日本の農業を応援することにつながっていると信じています。

―最後に、そんなビジョンを実現するために、どんな人と一緒に働きたいですか?

高丸:

仕事だからこそ、ガチガチでつまらないことはしたくありません。ちょっと変わってるな、おもしろいなと思われるような会社でありたい。そんなチャレンジを一緒にしてくれる人は、経歴や年齢にかかわらず大歓迎です。

もう1つ、忘れてはいけないのは、自分が世に出すもので人を幸せにしよう、というプライドを持っているかどうか。石川さんが教えてくれたように、社会に貢献する行動をとれていれば、周りの人は、絶対に応援してくれるはずですからね。

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Company Profile

社名
有限会社高丸食品
設立
1963年4月
代表者
代表取締役 高丸 喜文
資本金
300万円
従業員数
20名 2021年3月時点
事業内容
納豆の製造及び販売、食品移動販売事業(買い物難民救出計画)
本社住所
〒474-0055 愛知県大府市一屋町1丁目80番地
電話番号/FAX
電話番号:0562-46-5025/FAX:0562-48-1205
会社URL
https://takamarusyokuhin.com/

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