株式会社スタイルポート/世界中の室内空間をデジタル化し、いつでもどこでも誰でも簡単にアクセスできる世界をつくる

株式会社スタイルポート

世界中の室内空間をデジタル化し、いつでもどこでも誰でも簡単にアクセスできる世界をつくる

不動産の内覧を3DCGで行うVRツール「ROOV」を開発、展開する株式会社スタイルポートについて、代表取締役社長の間所暁彦様にお話をお伺いしました。(「ROOV」デモURLはこちら )

株式会社スタイルポート 間所暁彦さんさん

間所暁彦さん
1991年、矢作建設工業株式会社に入社。不動産企画営業業務を中心に13年間勤務した後に、投資法人の上場業務に従事。2006年より矢作地所株式会社にて開発担当取締役として、投資用不動産の企画・開発・運用、分譲マンションの企画・開発を中心とした不動産開発に手腕を発揮。2011年7月、スタイル・リンク株式会社を設立し代表取締役に就任。2016年1月、株式会社スタイルポートを共同設立。2017年12月、株式会社スタイルポート代表取締役に就任。

いつでも・どこでも・誰でも簡単に利用できることをこだわり抜いた「ROOV」

―今日はよろしくお願いします。まずはじめに、株式会社スタイルポートの事業内容を教えてください。

間所:

3DのCGで物件を内覧できるWebサービス「ROOV」を開発し、不動産事業者向けにSaaSとして販売をしており、現在は新築マンションを中心に展開しています。最大の特徴は、特殊なソフトウェアやアプリをインストールする必要なく、URLのリンクからすぐにPCやスマホで内覧ができることです。まるで部屋の中に実際に入ったように室内を歩きまわることができ、景観は実際に見えるものとほとんど同じものが表示されます。部屋の壁紙や床の色、家具の大きさや配置を自由にシミュレーションすることも可能です。

従来、新築マンションのほとんどは、完成する前にモデルルームや、自分が住む部屋は間取り図を見て購買がなされますが、一生に一回のすごく大きな買い物を平面的な間取り図だけ見てイメージし、購買の意思決定をするというのはカスタマーにとって酷なものです。「ROOV」を使っていただくことで納得感を持って住まい選びをしていただけると思い、商品開発を進めてきました。

(↓ROOVウォークスルーイメージ動画)

―中古の既存マンションではなく新築マンションが対象なんですか?

間所:

現時点では新築中心ですが、将来は中古にも展開していく予定です。中古市場は不動産マーケットで唯一の成長マーケットと言われており、欧米先進国のように、今後は中古市場が新築市場を上回っていくと想定されます。ただ、CGの制作にはまだまだコストがかかるという側面から、まずは新築の分譲マンション向けから入って、さらなるオペレーションの自動化などに伴ってコストが一定以下になったら中古市場にも手を伸ばそうと考えています。

―現在はどのように「ROOV」が使われているのですか?

間所:

マンションのデベロッパーは、モデルルームの建設に億を超えるお金をかけています。そこで、今まで複数作っていたモデルルームを一つにし、残りの部屋タイプを「ROOV」で見せることで、モデルルームの建設コストが削減可能です。さらには、モデルルーム自体を作らない販売方法の検討や、これまで紙袋一つ分ほどの大量のパンフレットを配布していたのを電子化して「ROOV」に置き換える形で活用いただければと思っています。

また同時に、「ROOV」はマーケティング支援ツールとしての機能も充実しています。「ROOV」はクラウドで配信しているので、販売センターでの接客後、商談の内容をお客さんは「マイページ」として持ち帰り、何度でもスマホなどから「ROOV」で内覧できます。どの部屋を、どれ位の頻度で、どれくらいの時間見ていたかなどのデータをデベロッパー側は見ることができるので、次の商談をスムーズに行えるようになります。これらはクラウドで配信しているからこそ可能になることです。

多大な苦労を経てビジョンドリブンを実現

―前職から起業に至った経緯を教えてください。

間所:

20年ほど、ゼネコンとして建物の設計や開発の事業企画の統率をしたり、マンションのデベロッパーとしてマンションを作って売るということをしていました。その後独立したのですが、当時はまだ今の「ROOV」のようなものを作るというはっきりとした構想はなく、今までいた不動産業界に恩返しをしようという気持ちでいました。これまで経験したバリューチェーンの問題点へのアプローチを考えながらの独立という形です。私自身実はアナログなアプローチも大好きなので。

その中で会社の財務的な余裕もでき始めたので、それを用いてもっとレバレッジの効く事業を開発しようと舵を切ったのが2016年くらいです。その時ちょうど私のビジネススクール時代の同期や、その人と一緒にIT企業を立ち上げた現CTOやエンジニアのメンバーも参画してくれて、何をやるのかというところから考え出しました。ちょうど当時シリコンバレーのベンチャーキャピタリストとうちの取締役が仲が良く、アメリカで一番伸びている不動産テックの形がVRを用いたものだという話を聞いたことから「ROOV」の構想が生まれました。

―0ベースの立ち上げですと、本当に大変そうです。

間所:

そうですね。特に大変だったことは二つあります。一つ目は、3DCGを表示するエンジンの問題です。今ある家具や景観などUIの構想はすぐに固まったのですが、独自で作ったエンジンですのですぐ止まってしまったり、画質がいまひとつだったりしました。だいたいいつもプレゼン中のデモで、一番止まって欲しくないところで落ちてしまうんですよね(笑)。お客さんには、無料でも使う気にならないと言われてしまうような代物で、何度も改良を重ねました。

二つ目は(株)リクルートとの業務提携契約のタイミングです(現在同社の不動産ポータルサイトSUUMOの公式メニューとして「ROOV」が採用されています)。最初に「ROOV」に目をつけてくれたのがリクルートだったのですが、データサイズを1/5に、価格は半分に、それまで2ヶ月ちょっとかかっていた納期を3週間で収められるようにオペレーションを作り込んだらSUUMOに正式採用したいという内容の提案でした。そこで全力でその3つの要求に応えるのが大変でしたね。

―当時だけでなく、今も様々な苦労や困難があると思うのですが、妥協せず乗り越えることができるのは何故なのでしょうか。

間所:

「技術的に可能なこと」ではなく「想い」や「実現したいこと」をベースに開発を進めることができているからだと思います。

私の会社での役割は営業や資金調達で、逆に技術的な開発に関しては、エンジニアに一任していて彼らを信じるしかありませんが、それが功を奏している面があります。下手にITに詳しいと、「これはできないかもしれない」といったことをまず考えてしまい、「実現したいこと」を妥協してしまうことがよくあります。できるかどうかではなく、「これをしたい」を推進する役割ができていると思います。

エンジニアはじめ、信頼できる仲間がいるからこそ、自身の役割を全うできるという。
エンジニアはじめ、信頼できる仲間がいるからこそ、自身の役割を全うできるという。

各部屋、各拠点と円滑なコミュニケーションができるようリアルタイムでテレビ会議を繋いでいる。リモートワークも推奨しているのだそう。
各部屋、各拠点と円滑なコミュニケーションができるようリアルタイムでテレビ会議を繋いでいる。リモートワークも推奨しているのだそう。

「不動産の世界をアップデートする」それを実現するためのValue

―会社の理念を教えてください。

間所:

「不動産の世界をアップデートする」というヴィジョンを持っています。今ある常識を無批判に、疑問なく受け入れるのではなく、自分たちで今一度、抜本的に変えてより良くする方法を考える。そしてそれに向け、自分たちで0から作っていく、という意味合いです。

またこれはビジネスの側面でもとても大切で、既に世の中にあるものと同じようなものを作ろうとすると、リソースの大きい大手企業が有利になり、うちのようなベンチャーは負けてしまいます。これまでにないものを作り、それで勝負をすることが必要になるのです。世の中にないものを生み出すことに、会社の存在意義がありますからね。

―「ROOV」の開発も含め、プロダクトや事業に対してどのようなこだわりを持っていますか?

間所:

今は主流でなくても2、3年後には当たり前のように使われるものを、どう今から作るのか、ということを常にこだわっています。

先ほども話したように、技術的にも「こうするのが常識」という事柄はあります。「ROOV」でいうと、Webブラウザから内覧でき、マーケティング支援ツールとしても使用できるという仕組みは、構想段階では話が弾むのですが、実際にやるのは非常に難しいのです。3DのCGはデータ容量がすごく重く、Webで展開しようとすると操作性が落ちたりします。だからといって、Webで動かすなら画質を落とさないとダメとか、アプリを入れてもらわなきゃとか、まずはスマホでの利用は諦めてPCのみを対象にするとか、そういった常識の誘惑に流されないことを心がけてきました。

そのため、建物を表示するためのエンジンを自社で1から作ったり、「こういう構想のものを作りたい」という考えを実現するために汎用的に使われているものを諦めてあえてチャレンジしたりするということをたくさんしてきました。

どんなプロダクトを作るにしろ、事業を行うにしろ、「そもそもテクノロジーとは何のためにあるのか?」「どうすれば既存の業界が良くなるのか?」というヴィジョンの根幹を必ず振り返りながらやるようにしていますね。やっていくうちに、ちょっとずつ外れていってしまうことがよくありますので。

―そういった理念はどのように社員の方達に浸透していますか?

間所:

シェアしたいバリューを3つ掲げています。1つ目は「Be Innovative!革新者たれ」。2つ目は「Play Fair!フェアな判断と行動」。3つ目は「All For One!多様性の尊重とチームワークの重視」。言葉として挙げているだけではなかなか身につかないので、普段からAかBかの選択を迫られた際にこのバリューをもとに判断するようにしていたり、目標管理の際の達成基準としてこのバリューを軸にしたりしています。
また、この3つだけだと割と抽象的なので、もう少しわかりやすくするために、細分化した具体例を作成しています。普段の業務でもバリューをしっかり確認し合いますし、採用の際も、メンバーは皆こういう考え方で働いてるけど大丈夫か?といった趣旨で候補者に聞くようにしています。

―こんなしっかりとしたバリューを作るに至ったのはなぜですか?

間所:

うちは全員中途入社で、バックグラウンドにダイバーシティがあるので、社長から新入社員まで全員で、正しくフェアにやる、というバリューがないと組織がガタガタになって機能しないのです。

それに、私たちのやっていることは、現時点で結論がないものばかり。その都度結論を仮定し、違えば修正することを繰り返しています。その中で何か新しいものを生み出す原動力を作ろうとすると、会社全体が前に進むポジティブで明るい “モメンタム”が必要です。そのためにこういったバリューを作ってきました。

会社が急成長していく過程で、ぶれない会社のカルチャーがあるからこそ、答えのない新しいことに挑戦していけると思うのです。

不動産のデジタル化とバラエティ化を目指す

―間所様が考える不動産とは何でしょうか。

間所:

衣食住の「住」において、全ての基礎になるものです。取り扱う上でも社会的責任を伴いますし、不動産業に良い影響を与えることは、衣食住の「住」に良い影響を与えることに直結します。そこに非常にやりがいを感じますね。

―結論はないというお話がありましたが、現段階で描く未来像はありますか?

間所:

業界のデジタル化の地盤を作ること、それを通じて日本の不動産選択にもっとバラエティをもたらすことが理想の未来像です。

不動産業界は、動かせない大きな物体が商材であるため、まだまだテクノロジーの参入が遅れています。ただそれでも、いつかは不動産も完全にデジタル化されると思います。価格情報だけでなく部屋の中も外も情報がデジタル化します。10〜20個の住宅を電子媒体で見て、価格の情報や相場などの情報もその媒体でキャッチして、最後に1つか2つの候補だけ見に行って決める、みたいな感じです。おそらくはその情報と他のAmazonなどのECサイトの家具の情報も連携してライフスタイルを作れるようになると思います。そのための基礎となるデータを作り提供したいのです。

間所:

また、アメリカでは一生涯での持ち家の住み替えの回数が日本の3倍くらいあり、イギリスは4倍と言われていますが、日本は今なお、買ったらそのままずっと住むのが一般的です。住宅のバラエティ化によって、家族構成が変わるなどのライフイベントによる生活の変化に合わせて住宅を柔軟に選ぶことができれば、社会全体の幸福はもっと大きいものになると思います。そういった未来のために、業界全体をアップデートしていく必要があると考えています。

〜編集後記〜
昨今、VR技術の導入はあらゆる場所で進んできていますが、その大半がゲームなどエンタメ領域です。そういったプラスαの楽しさを提供するサービスもまた、とても魅力的ではありますが、ROOVのような、現状の課題の解決、業界の刷新を目的としたVR技術の使用も大きな意味があると思います。他にも医療の場や観光の場でそういった取り組みが出てきているので、今後も注目したいですね。
スタイルポート様は、「不動産の世界をアップデートする」ために技術的な常識に囚われない事業開発をしています。ただ同時にその未来はまだはっきりとは見えておらず、だからこそ地盤となる組織作りに非常にこだわっています。そんな熱く挑戦的な経営への姿勢を淡々と語る間所様に、惚れ惚れしました。

Our Vision

不動産の世界をアップデートする

ー世界中の室内空間をデジタル化し、いつでもどこでも誰でも簡単にアクセスできるようにするー

私たちスタイルポートは、不動産ビジネスの常識を「アップデート」し、人々の生活を豊かにするために誕生した企業です。

私たちには、不動産の現場に長く携わる中で培ってきたノウハウや課題意識、そして最先端のテクノロジーという武器があります。これらを融合させることで、過去のしがらみにとらわれず、流行に流されず、不動産の取引に関わる人々にとって「未来の常識になりうるもの」を追求することで、不動産マーケットを活性化し、人々の住生活を豊かにする。それこそが、私たちの使命であり、挑戦です。

Company Profile

社名
株式会社スタイルポート
設立
2017年10月11日
代表者
間所 暁彦
資本金
545,400千円(資本剰余金を含む)※2019年7月現在
事業内容
住宅不動産マーケットにおけるITソリューションの開発および提供
本社住所
〒 150-0001 東京都渋谷区神宮前4-3-15 東京セントラル表参道322号室
電話番号/FAX
03-6812-9555
会社URL
https://styleport.co.jp