株式会社スタッフロール/一人ひとりが自分の人生の主役になれる社会へ。

株式会社スタッフロール

一人ひとりが自分の人生の主役になれる社会へ。

株式会社スタッフロールさんは、人生や仕事に悩みを抱える人に向けて、「自分の人生」と出会うためのサービスを展開しています。事業のひとつとして、うつ病などの気分障がいの方に向けた社会復帰支援プログラムを提供。福祉訓練事業所「Views」を運営しています。今回は代表である高瀬さんにお話を伺いました。

株式会社スタッフロール さん

高瀬文聡さん:エンジニア、人材ビジネス業界での経験を積み、現在はスタッフロール代表取締役兼生活支援員に。自ら現場に立ちながらご自身も会社としても常識にとらわれないチャレンジを続けていらっしゃいます。

「救えない」を「救う」ために。

―今日はよろしくお願いします。まずは企業設立の経緯から教えていただけますか。

高瀬:

スタッフロールは、公的支援を受けられない方たちの「セーフティネット」になりたくて始まった会社です。例えば、学校の先生など公務員の方がうつになった時、国が運営する福祉施設には通えないというルールがあるんです。でも、公務員の方たちも、当たり前ですがうつになることもあります。そういった制約がある方たちにも支援の手が行き届くように、という想いを持って生まれました。

―なるほど。一企業の事業だからこそ、力になれる方達がいるんですね。

高瀬:

そうですね。それと、一般的にうつから復帰する際、「就労するための事業所」へ通うことが多いのですが、必ずしも「仕事に就くこと」だけが人生の目的ではありません。日々の暮らしをちゃんと整えたいとか、自分の思うコミュニケーションがとれるようになりたいという人もいる。だから当社が運営するViewsは「就労移行訓練」ではなく「生活訓練」という事業形態をとっています。

―スタッフロールさんの独自性を教えてください。

高瀬:

一番大きいのは、生活訓練をうつ病の方を対象として行ったということです。一般的に生活訓練というのは、身体障がい者の暮らしのためのリハビリが主でした。つまり身体に働きかけるものだったんです。そこにうつ病などの精神障がいについても生活訓練に当てはめたことが画期的でした。

全国でも数例しかないスタイルを名古屋に初めて持ってきまして、福祉のパイオニアでいたいという想いもありますね。

*2020年に改築されたViews。おしゃれな空間がひろがっていました。
*2020年に改築されたViews。おしゃれな空間がひろがっていました。

本当に自分がやりたいことを見つけよう。

―次に、スタッフロールさんの志を教えてください。

高瀬:

「一人ひとりの在り方を一緒に見つける」というミッションを掲げています。「在り方」というのは、皆さんが大切にしている価値観のこと。うつになった方というのは、ストレスによって自分の「在り方」を見失っている状態なんです。その見失っている「在り方」を我々が支援しもう一度見つける、ということに重点を置いています。そうして見つかった「本来の自分」を、ここでは「サードアンサー」と呼んでいます。

―大切な価値観を取り戻していく、ということですね。サードということはファースト、セカンドもあるのですか?

高瀬:

まずファーストアンサーというのは世間や社会など、自分の身の回りの人たちの間にある価値観です。次にセカンドアンサーというのは、過去の自分が生きてきた経験から「こうあるべきだ」とつくり上げた価値観。そしてファースト、セカンドでもない本来の自分をサードアンサーと言います。

―周りの人や、自分がつくりだした固定観念のようなイメージですね。ただ、生まれてからずっと社会の中で生きてきて、違う軸で本来の自分を見つけるのは、かなり難しいように思うのですが…。

高瀬:

例えば、音楽を聴いたり映画を見たりして感動した時に生まれるフィーリングにも、価値観を探るヒントがありますよ。自分の心がどこで動くかを辿っていくと、本来の自分がやりたいこと、いわゆる「want」が見えてくるんです。

―心が動く小さなきっかけが大事なんですね。

高瀬:

そうなんです。一方、社会で生きていく上では、ルール上やらなきゃいけないこと「must」もあります。「must」の比重が大きすぎると気持ちが崩れてしまので「want」と「must」のバランスが大事だと思いますね。そこに自分の「在りたい」があれば、バランスをとりながら自分を見失わずに進んでいけるんですよ。

*「ありたい自分と出会う 幕があがる」というスタッフロールさんのブランドメッセージが表現されていました。
*「ありたい自分と出会う 幕があがる」というスタッフロールさんのブランドメッセージが表現されていました。

福祉のイメージを変える、楽しい場所を。

―詳しく事業内容を教えていただけますか。

高瀬:

メインはViewsでの障がい福祉サービスの運営です。先程の「一人ひとりの在り方を一緒に見つける」という志のもとに、ここにきた方にプログラムを提供して支援を行っています。

例えば、自分自身の体調や精神的な気分がどのように変化していくのかを見る「セルフモニタリング」で自分がなぜ落ち込むのか、何によって疲れが出るのかを分析しています。他にも、コミュニケーションを円滑にするための「3Dコミュニケーション」というプログラムでは、ペアになって話をする様子を第三者が見て、自分では気づけない会話のクセをフィードバックし、アドバイスすることもあります。そうして自分自身の傾向に気づいたり、人とのちょうどよい距離感をつかんだりしていくのです。

―事業を行う上でどんなことに気をつけていますか。

高瀬:

在り方を見つけられる環境を維持していくために、いくつか約束事をつくっています。

「相手を否定しない」のもその一つです。否定って、場合によっては自分の在り方を否定されているようなものですから。他にも「主体性を尊重する」という約束もあります。主体性って、人が自ら意思を持って行うもので、その意思を尊重することは、相手を認めることになります。すると「自分がここにいていいんだ」と思える環境になっていきます。

*こちらが5つの約束です。優しいイラストも素敵ですね。
*こちらが5つの約束です。優しいイラストも素敵ですね。

―人の価値観を大切にするスタッフロールさんならではですね。他にもこだわりがあれば教えてください。

高瀬:

Viewsは福祉事業所なので、名古屋市の指定を受けてルールに則って運営しているんですが、「福祉事業所っぽくしたくない」というこだわりがあります。楽しい雰囲気にすることで、また行きたいと思えるような場所にしているんです。

―福祉のパイオニアですね。例えばどんな取り組みがあるのですか?

高瀬:

「イリュージョン」というプログラムでは、マジシャンの方に来ていただいてマジックをしてもらっています。マジック自体が楽しいと感じられれば、それだけでも気分が上がりますが、プログラムの中で実際にマジシャンの方にマジックを教えてもらえるんです。覚えたら誰かに披露できて、人とのコミュニケーションの幅が広がるじゃないですか。生活の中で活かせたらいいなと。そんなふうに、「ここにくれば楽しいことが待っている」という場所にしたいんです。

―Viewsの外の人との関わりもあるんですね。

高瀬:

そうですね。農業体験をすることもありますよ。農園の一区間を借りて、野菜を植え、育てて、収穫するという一連の体験をしています。様々な経験を積むことが、ライフワークや自分の在り方を見つけるきっかけになると考えています。メンバーみんなで同じ体験をすることで、話ができる仲間が増えるのも楽しみの一つです。

―様々な人と出会い、様々な経験をすることが本来の自分を見つける鍵なんですね。

*メンバーさんがつくった折り紙たち。様々な価値観を大切にするViewsが表現されています。
*メンバーさんがつくった折り紙たち。様々な価値観を大切にするViewsが表現されています。

*いま話題の家族型ロボットLOVOTのまるちゃん(左)ところちゃん(右)もお出迎え。また来たくなる楽しい空間でした。
*いま話題の家族型ロボットLOVOTのまるちゃん(左)ところちゃん(右)もお出迎え。また来たくなる楽しい空間でした。

自分の言葉で想いを伝えられる人を増やしたい。

―これからのビジョンを教えてください。

高瀬:

一人ひとりが自分の在り方を見つけて、自分の人生の主役になっている社会をつくることです。

そのために、今後はうつ病でなくとも自分の在り方を見失っている方にも支援ができるようなサービスを行っていきたいと考えています。例えば思春期の学生は感受性も高く、一番自分を見失う年頃ごろですよね。そんな学生が自分の在り方や自分らしさを理解して社会に出られたら、大変なこともあるだろうけれど、うまく生活していけそうですよね。また、Viewsという場所でできた仲間と就活などの情報共有をすれば、繋がりが増えていくと思います。

―たしかに、自分の在り方を見つけるって、全ての人に必要なことですよね。自分らしさを大切にすることと、仲間との輪をつくるということは反対のことにも感じますが、両立は可能なのでしょうか。

高瀬:

仲間との輪をつくるときに必要なことは、好きなものを好きと言うこと。自分の軸をはっきりしておくことです。好きをきちんと伝えておくと、共感する人が集まってきます。一人でも同じ気持ちの人がいれば、その友達からまた繋がりが生まれていって輪がひろがっていく。

もちろん、価値観は人それぞれ違うので、自分が好きなものを他の人も好きだとは限らない。そこで無理に自分の気持ちを曲げて人と付き合っていると、結局自分ではない誰かの価値観で生きていることになる。だから、好きを共有できる仲間と一緒にいることが大事なんです。

―無理をしないため、本当の仲間をつくるためにも自分の軸が大切なんですね。

―では最後に、ビジョンの実現に向けて、どんな人たちと働きたいですか。

高瀬:

まずは理念に共感してくれる人ですね。さらに仕事への情熱もすごく大切だと思います。仕事と言えど人の人生がかかっているので、生半可な気持ちではできません。一般的に、福祉の仕事は決して所得が高いわけではありませんが、それ以上のやりがいを感じられる仕事です。大変な部分も多いですが、スタッフ同士支え合いながら、何にも換えられない喜びを得られる仕事なんです。

―この仕事をする上で持っていたら嬉しいスキルはあるんでしょうか。

高瀬:

例えば「聞く力」ですかね。じっくり聞くというのは意外とできなかったりするので。合わせて「質問力」や「伝える力」もそうですよね。自分のことを言葉選びも含めて、相手に合わせながら伝えるという。対人支援のお仕事なので、総合してコミュニケーション能力が必要だと思います。

ただ、スキルはもちろんですが、スタッフ本人の中にも志があるか、どんな価値観を持っているかが最も重要です。年齢には関係なく「今までどういう生き方をしてきたか」、さらに言えば「今どうしたいか、どう在りたいか」という「生き様」が大切なんです。もしかしたら、道を外れてきた人の方が痛みを知っているかもしれない。だから結果だけで決めつけたくないんですよね。そういう意味で、価値観を共有できる人と働いていきたいと思います。

―働く人たちも自分らしくいられる企業なのですね。今日はたくさんお話を聞かせていただきありがとうございました。

*Viewsの中にある「きづ木」。メンバーさんを見守り、コミュニケーションのきっかけとなることで、価値観への気づきを増やしたいという願いが込められているそうです。
*Viewsの中にある「きづ木」。メンバーさんを見守り、コミュニケーションのきっかけとなることで、価値観への気づきを増やしたいという願いが込められているそうです。

〜編集後記〜
うつとはストレスによって自分の「在り方」を見失っている状態だと仰られていました。ストレスは生きる上で常にかかるものです。自分の「在り方」が分からなくなっている人は見えている以上にいると考えれば、潜在的なうつを持つ人はそれこそ数えきれないでしょう。これからも増え続けるであろうニーズにいち早く対応したのがスタッフロールさんでした。スタッフロールさんは「自分らしくいられる社会をつくりたい」というビジョンを掲げていました。それを聞いた当初は、そのビジョンが実現した未来が見えませんでした。あまりに理想的すぎるからです。しかし、具体的な事業内容を聞いて、実現可能な道のりを踏まえてその延長線上に理想を掲げていることがよく分かりました。人間との対話は傷や恐れを生むだけではないまた別の可能性を感じられ、これからの社会に希望が持てるお話でした。

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MISSION

一人ひとりの在り方を、一緒にみつける

VISION

一人ひとりが自分の在り方をみつけ
自分の人生の主役になっている社会

VALUE

人・組織・社会に対し、同志との共創による新しい価値観を届ける

01. サードアンサーを考えよう
世の中が正しいというモノ・コトが、本当に正しいとは限らない時代になっています。正解なんてありません。自分の思い込みや、他人の意見だけではなく、第三の答えを探しましょう。

02. 一人ひとりのトリセツが見つかります
人間ひとりではできることに限りがあります。大切なのは、自立と自律するための根を張ること。自分自身のことを客観的に理解し、足りないものが分かれば、あとは補えばいいだけです。

03. 地域・人・組織のネットワークで解決します
病院やクリニック、ソーシャルワーカーなど、共感してくれる仲間たちと強いネットワークをつくります。社会の画一的なルールに、疑問や違和感を持つ人々に触れることができるようセーフティネットの網の目を細かく、多層化することで、世の中の盲点をなくしていきます。

04. 社会の期待に応えるため、組織としての成長も続けていきます
私たちは、自分たちの仕事が現代社会から、大きな期待をされていることを決して忘れません。社会の期待に応えるため、常に前を向き、サービスだけでなく、人や組織も成長を続けていきます。

Company Profile

社名
株式会社スタッフロール
設立
2015年8月14日
代表者
代表取締役兼従業員 高瀬 文聡
資本金
200,000円
事業内容
常識や慣習に違和感を持つ人々にサードアンサーという別の選択肢の存在を伝えることで 一人ひとりが自分の在り方と出会い、自らの人生の幕をあけ自分の人生の主役になれる社会の実現を目指す。現在は生活訓練事業所 ビューズ@名駅の運営により、うつ病からの社会復帰を支援を行っている。
本社住所
〒451-0045  愛知県名古屋市西区名駅二丁目25番21号 ベルウッド名駅1階
電話番号/FAX
TEL:052-462-1608/FAX:052-462-1902
会社URL
https://www.staffrole.co.jp/

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