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菜食を通じて、自分の使命を全うする人生を。

【ソーファ・デリ&フーズ株式会社】
今回は、ベジフーズ(動物性タンパク質を使用しない食品)の開発事業や、飲食店へのベジフーズ導入をしているソーファ・デリ&フーズ株式会社について、代表取締役社長の木村重一様にお話を伺いました。

 

木村重一さん
広告の制作会社を経営している時に菜食に目覚め、大手広告代理店のご縁からベジカフェを経営。その際に業務用食品の問題点に気づき、自身のコンセプトに合った食材開発事業にシフトして今日の会社を設立。

 

多角的な目線でのベジフーズの開発、導入

 

―今日はよろしくお願いします。まず始めに、ソーファ・デリ&フーズ株式会社の事業内容を教えてください。

木村:
私たちの事業は大きく3つあります。一つ目が肉魚を使わない食品の開発。二つ目は飲食店やホテルレストランにベジメニュー導入をプロデュースする事業。そして三つ目は、アレルギーや低体温などの体の不具合は動物由来のものが多いという事実を受けて、人間力アップのプログラムを企業様に提供しています。このプログラムによって農耕民族日本の食文化を体験していただくこともテーマになっています。

―一つ目の食品開発において、ターゲットは日本人のベジタリアンなのでしょうか。

木村:
たしかに、ベジタリアンにもっと気楽に食生活を送ってほしいというのはあります。ただ、一般の人たちにも、「ベジフーズって美味しいじゃん!」と気づいてほしいというのがありますね。本来、肉というのはそれほど多く摂取するべきではなく、それが人間の病気のリスクの高さや健康寿命の短さに繋がっているのです。日本人の健康寿命はやたら短いですが、本来もう10年健康でいられるはずです。今菜食をしていない人に、そういったことに気づいてほしい。ストレスなくベジフーズにトライできるように、動物性タンパク質を用いないハムなどの商品ラインを揃えているのはそういう意図があります。肉魚を食べたい人が生活習慣や地球環境を見直す入り口として開発をしています。

―二つ目の事業のメニュー導入は、どういったことをされているのですか?

木村:
飲食店へのベジフーズの導入を促進しているのですが、その理由は大きく3つ。健康面、環境面、マーケティングの側面です。健康面は、地中海式料理法、マクガバンレポート、チャイナスタディという世界の3つのレポートにも記されているように、菜食が健康に良く、過剰な肉食は体に良くないという観点を重視しています。環境面では、国連の報告にもあるように、動物性タンパク質を摂りすぎると、環境問題において食糧危機、水の枯渇、地球環境汚染が進んでいくため畜産を抑える必要があり、2050年まで食糧が保つのか怪しいレベルなので、この課題に一石を投じたいという想いがあります。マーケティング面でいうと、ラグビーW杯や東京オリンピックを考えたらベジフーズの提供は必須。なぜなら、国際会議でも25%がベジタリアン、15%がハラール、5%がグルテンフリー、つまり45%の人が食に制限をかけていて、まともな肉魚の料理を避けているからです。W杯やオリンピックで多くの外国人が訪日した時に今のままだと日本は対応できなくなってしまいます。

―WIK財団という財団も運営されていますよね。

木村:
うちは食品を開発し飲食店に提供をしているのですが、それは飲食店からしてみればある種、営業に来てるように思われてしまうこともあります。でも、私たちは新しい時代のキーワードとして「調和」を掲げ、大きな意味合いを持って、菜食を推奨しています。そういった意味でメニュー導入を提案しているのだと理解してもらうために、財団をつくったのです。WIKというネーミングには、こころワクワク(W)、からだイキイキ(I)、たましいキラキラ(K)にする食事やライフスタイルを研究し、人類の調和に貢献するという私たちの使命がつまっています。メニューの開発だけでなく、講演やベジカフェの展開など、複数のプロジェクトを進めています。

 

菜食は、自然とのチューニング食。

 

―ところで木村さんは、なぜ菜食事業を手がけていらっしゃるのですか?

木村:
私は36歳で肉食とお酒をやめました。お酒に飲まれていた人生を変えようと思ったからです。ベジタリアンになったことがきっかけで、非常に多くの気づきがありました。たとえば、自然と調和することの大切さ。私たちの社会には自然の流れに逆らった行為がたくさん見られます。何事も人のせいにし、稼いだお金の使い方も褒められたものではない、ということもよくありますよね。自分の人生で起きる全ての偶然は自分自身の心の動きに感応して起きています。無意識の自分が起こしているので、これをなかなか自覚できません。この無意識の自分が自然に対して行っているコミュニケーションが実は人生の偶然だということに気づく人は少ないですね。私もそれを実感するまで時間がかかりましたが、菜食(プラントベースの食事)生活にしてインスピレーションとしてやってくる情報にヒントがあることに気づきました。社会の常識や相対的な価値観に振り回されていた自身の感性が変化していったのです。自主、自覚、自由な人生への扉が開いていくという感覚です。利害損得などの相対的な価値判断ではなく、自分の志に基づいたミッションに直感的に気づくためのチューニング食として菜食が素晴らしいのだということに、私自身の経験から気がつき、今の事業を行うようになったのです。

―「自然」との調和が大切なんですね!

木村:
自然とは非常にうまくできています。自然に則って生きれば、そもそも善し悪しはなく、全て善いと言えます。ただ、悪いことがなく良いことしか起こらない人生では、逆に喜びを感じることができないのが人間ですから、そのバランスを自然の意思が上手くとってくれるのです。

全てを良い方向に向ける自然のエネルギーの中にいるのだと、菜食をすることで気づけます。それは、菜食をすることで自分と繋がるからです。

―コマーシャルの演出家をしていた頃から、今の菜食事業を展開するまでにどのような変化がありましたか?

木村:
菜食を始めてから、身の回りの縁がどんどん変わっていきました。まず、広告のスポンサーに変化が現れました。肉食事業の会社の企画は全然通らない。菜食を始めたことで、心の周波数のようなものが変化したのだと思います。そこで、広告の仕事を続ける違和感と、妻の菜食を作る腕の上達がきっかけで、志を立て、ベジカフェを経営することにしました。最初は、資金も人も何もない状態でしたが、色々な偶然の縁に恵まれて外食産業の方達との協働に至りました。1999年9月から始めた実験店は失敗してしまったのですが、そこでまた偶然オーガニックスーパーの社長との出会いがあり、再度都心でのベジカフェを開くことができました。十分流行ってはいたのですが、業界の食材の質に違和感を感じて、自分たちで独自に食品を開発する事を決め、今の事業に至ります。弊社では組織をつくってはおらず、必要な時だけプロジェクトチームを適宜組んでいます。そういったときに集まってくれるメンバーもまた、自然の法則の中で周波数の合ったメンバーなのだと思います。

人間誰しも、生まれながらにしてミッションを持っていると思うんです。でも、そのミッションが何かというのは、実際に行動してみないとわからない。正しい方向に進んでいれば、自然が後押ししてくれますし、間違った道であっても、自然が教えてくれます。それも、自らが自然とうまく調和できているかどうかに、かかっているんですよね。

 

若者が自分の意思で行動する未来をつくりたい

 

―今後のビジョンについて教えてください。

木村:
今度(2019年4月取材時)、『光の食卓』[1]という本を出すのですが、今日お話してきたような内容をもっと掘り下げて書いています。同時に、一般個人向けに講演会と試食会を広め、ビジネス方面ではラグビーW杯を視野に入れた、ベジメニュー導入に力を入れていきます。想いや指針は今までと変わりません。ただ、時代としてはだんだんこういった事業が受け入れられる時代になっていると思います。

―その先に描く未来について、今一度教えてください。

木村:
2020年に東京オリンピック・パラリンピックが無事に開催されるかどうかが、実は人類の未来にとても大きなエネルギーの変化を起こします。僕たちは究極エネルギーの存在です。日本ではよく「気合だ!」とか「元」「分」というように「氣」を大切にします。そしてそれこそ私たちのバイブレーション(波動)であり、心の波動周波数が変化することで起きることや出会う世界が変わってしまうのです。
日本人の持つ精神文化は外国と比べ異質なものなのですが、その理由は食文化と言葉にあります。やまとことばの持つ不思議さを当の日本人が忘れてしまったのですが、何気に使う日本語に「ワンネス (私たち地球人類はひとつの家族だということ) 」を前提にした会話をしています。そのことを実は日本のマンガやアニメが世界に発信しています。その平等感、公平感、優しさに世界の若者が反応しているのです。
平和の祭典と言われるオリンピックが日本の東京で行われることは偶然ではなく、なにがしかの自然の意思が反映されていると思えてなりません。農耕民族日本の食文化が自然との調和を基本にしていることを知っていただく絶好の機会と考えて、今から準備していきたいと思います。平安の時代から国を挙げて千年以上、肉食禁止令を出しているただひとつの国「日本」に世界は平和を求めています。令和の時代をリードする今の若者に期待することは日本に目覚めることです。自分自身を知ることこそ、国際親善、世界平和の礎と思うからです。

 

[1] 『光の食卓 人生を輝かせる奇跡の[超菜食]パワー』木村重一, 木村紀子(著)

 

〜編集後記〜

昨今、ベジタリアンやヴィーガンという言葉を目にする機会はとても増えています。またカリフォルニア等からベジフーズ開発を進めるベンチャー企業がどんどん生まれており、菜食のムーブメントは強まっているように感じます。
ただ、そういったビジネスの中には、動物愛護や環境問題解決に基づいたものも多く、その点で木村様の志とは違いがあるように感じました。木村様の事業は、「菜食をすることで自分自身に良い変化が起こる」という考えに基づいており、だからこそ商品ラインやお仕事の中身にもオリジナリティがあるのだと思います。他者や周りの環境から与えられた価値観に翻弄されてしまう現代人に、菜食を通じた変化をもたらしたい、という強い信念を感じました。
まずは一週一菜。一週間に一度、動物性タンパクを摂らない日を作ってみるのはどうでしょうか?世界の見え方が大きく変わるかもしれません。