株式会社しくみデザイン/みんなが思わず笑顔になる“しくみ” をデザインする。

株式会社しくみデザイン

みんなが思わず笑顔になる“しくみ” をデザインする。

今回は、人が楽しくて思わず笑顔になっちゃうような「しくみ」を生かして、広告やゲーム、教育の分野で活躍されているしくみデザインさんの魅力、想い、そして仕事をする上で大切なことを、取締役兼チーフデザイナーである中村誠さんに伺ってきました。

株式会社しくみデザイン 中村誠さんさん

中村誠さん
九州芸術工科大学(現在の九州大学芸術工学部)卒業。しくみデザインの取締役兼チーフデザイナーとしてインタラクションデザインの分野で企業向けイベントやアーティストのライブ演出などに関わり、会社を牽引している。

人を楽しませたい、を追求して。

―本日はよろしくお願い致します。さっそくですが、しくみデザインさんの事業内容についてお伺いしたいです。

中村:

メインとしては、デジタルテクノロジーを利用した、見るだけではなくて体験して楽しめる広告をつくったり、その技術を活かしたゲームをつくったりしています。デザイン会社とシステム会社の両方を兼ね備えているような会社と言ってもいいかもしれません。事例としては、例えば道頓堀にある人通りの多い街角の大画面広告があります。画面に歩いている通行人の姿を映し、画面に映った彼らの顔に「ゲゲゲの鬼太郎」の顔ハメを施し、さらに彼らの肩に目玉おやじが乗ってきて「おい鬼太郎!」と呼んでくれるようなしくみをつくりました。こうするとみんなが写真を撮って拡散してくれるので、効果的な「ゲゲゲの鬼太郎」の映画の宣伝になったんです。大阪はお笑いの街だからやっぱりみんな面白いものが好きで、我先にやろうとする人が多かったですね。ちょうど10年前くらいのSNSが流行り出した時期で目新しさもあったのか、うまく広がっていきました。

その当時でもデジタルサイネージは街中にたくさんあって、珍しいものではなかったんです。ただ、ほとんど見られていなかったといっても過言ではありませんでした。だからこそ、今までの広告の概念をひっくり返せると思ったんです。そこで、お客さんが何かしないと広告として成り立たないもの、お客さんが楽しいと思うことを画面上で演出して、結果的に広告にもなる「笑いがうまれる広告」というアプローチをとりました。人が楽しいと思える場をつくってあげると人が集まる。人が集まっているところに広告があれば見てもらえる。それがWin-Winなしくみだと考えています。

―確かに、「楽しい」という感情があると記憶にも残りやすいですよね。中村さんは学生時代からデジタルサイネージ関係の分野を勉強されていたんですか?

中村:

元々絵を描くことが好きだったので「グラフィックデザインをやっていこうかな」と思っていたのですが、大学で同じ研究室の先輩がインタラクティブな作品を創っていて、「あ、これだ! 面白そう!」と思ったんです。その先輩が今一緒に仕事をしているしくみデザインの代表、中村俊介で、そのときに創っていたのが体の動きを音楽に変える楽器「KAGURA」の原型である「神楽」でした。そこで俊介に弟子入りして、プログラミングを教えてもらいながら、一緒に作品を創るようになりました。「神楽」は世の中に出るとすぐに話題になり、さまざまな賞などを受賞したのですが、その結果のひとつが福岡県のヤングベンチャー育成支援事業への採択でした。これがきっかけで会社化したのが今の「しくみデザイン」です。

―なるほど、KAGURAは今でもしくみデザインさんのメイン作品ですよね。「人を楽しませたい」という想いを強く感じるのですが、今後はどのようなことを実現したいと考えていますか?

中村:

個人的には、みんなが好きなことができて、わくわくするような世界になればいいなと思います。会社として舵を切り始めているのが、教育の分野。もっと子供たちが自由な発想で自由にものを創れるような「しくみ」をつくっていけたらなと思っているところです。

子供たちに、もっとクリエイティブを。

―そのしくみをつくるための何か具体的な方法はあるんですか?

中村:

具体的には今、「Springin’(スプリンギン)」という無料のプログラミングアプリを配信しています。これは、アプリの画面に絵を描き、その絵に「転がる」や「ジャンプさせる」などの性格や、絵の間の関係性を与えることで、アクションゲームやパズル、絵本や楽器など、工夫次第で色んな作品をプログラミングで創ることができます。ビジュアルプログラミングなので、コードを書く必要もありません。大人は気付かないうちにいろんなものを自制してしまいがちですが、子供たちは自由な発想でつくるので面白いですよ。

また、Springin’は、創るだけではなく、自分が創った作品を他の人たちに遊んでもらうことができるプラットフォームも備えています。iOSのAppStoreを想像してもらうといいですね。自分で創ったものをアップロードすると、他の人に見てもらえる。誰かがダウンロードして遊んでくれると、それを創った人のアカウントにアプリ内のコインが貯まっていく。これが評価につながって、「もっと創ろう」というモチベーションが上がる。これはちょっとしたクリエイター体験ができるしくみです。

―面白いですね!私も将来これ自分の子供にやらせたいです。自分もつくってみたいです(笑)。子供向けのサービスを始めようと思ったのはなぜですか?

中村:

15年くらい会社を続けてきたのですが、あらためて振り返ると、やっぱり創ることの方が楽しいなって気付いたんです。会社を立ち上げて10年くらい経つと、スタッフたちも自分の子供を育てるようになりました。そうなると自分たちの子供にもつくる楽しさを経験してほしいし、クリエイティブになってほしい。じゃあ、子供たちがクリエイティビティを身につけるためにはどうしたらいいか、と社内で話し合った結果、生まれたのがSpringin’なんです。「しくみデザイン」と社名で謳っているように、僕たちが提供するのはあくまでもしくみや場。そこで創られるものは子供たちの発想次第。この部分にはこだわっていますね。

人の心を動かすのは、身近な人を想う気持ち

―なるほど、やはり「しくみ」というところにはこだわってらっしゃるのですね。ところで、しくみデザインさんの大事な価値観を改めてお聞きしてもいいですか?

中村:

一番のモットーは、「みんなが笑顔になるしくみをデザインする」ですね。Springin’もそうなんですけど、1回だけで終わらせないしくみが大事だと思っています。世の中にあるもので「ああ、すごいなー」って言われるものは、だいたい1回で終わるんですよ。なぜかというと、2回目は「これ知ってる」になっちゃうから。でも「楽しい」って思えるものは何回もやりたくなるんです。「すごい」ではなくて、いかに「楽しい」と思わせるかを意識して作品を創ってますね。

―「すごい」と、「楽しい」の、明確な差みたいなものはあるんですか?

中村:

「見たことがないもの」はみんな「すごい」と思うんです。そして「楽しい」というのは「うまく人の心を掴めていること」だと思います。見たことがあるかどうかはあまり関係ありません。

僕は昔から人を楽しませるのが好きだったこともあって、普段の生活でずっと人の楽しませ方を考えているんです。だからここはこうしたほうがいいんじゃないか、という発想は自然に出てくるようになっていますね。もちろんやってみて違うこともありますが、違ったらじゃあ次はこうしようっていうのをずっと繰り返している感じです。

―なるほど、だからあんなにたくさんのコンテンツがどんどん生まれてくるんですね。「楽しくて思わず笑顔になっちゃうスイッチを押す仕組み」にはなにかコツがあるんでしょうか?

中村:

創る人が楽しんでるかどうかじゃないですかね。創る人が「何だか楽しくないなぁ」と思いながら創ったモノを、これでどうだ!と出されても響かないと思うんです。もちろんモノを創る過程には「産みの苦しみ」みたいなこともあるけど、その根本の部分に創っている人の楽しいって気持ちが入ってないと、見る人の心のスイッチは押せないんじゃないかなと思います。誰かのすごく強い思いがそこにあるものじゃないと、やっぱり響かないですよね。

―いかに人を笑顔にするかを考えていると、自然と色んな人を惹きつける作品ができるんですね。

中村:

たくさんの人を楽しませるモノを創ろう!と思うと、どう落とし込んだらいいか分からなくなりがちです。だから僕の場合はすごく身近な人、例えば、家族や友人、知人が喜ぶ顔を見るためにはどうしたらいいかをまず考えるようにしています。あの人はこういうのが好きだから、ここはこうした方がいいかなーというように考えていくと、そのうちに同じ年代の人たちの世代感にたどりつくんですよ。そしてそれが結果的に対象とする人に響くものが創れるんだと思います。

―なるほど、私たちって物事を考えるとき、大多数に向けて考えがちで、そのせいでどうしたらいいんだろうって立ち止まることが多い気がします。その考え方はこれから取り入れていきたいです。

好きこそ物の上手なれ

―今までのお話を聞いて、中村さんはすごくお仕事を楽しまれてるんだろうなぁと思ったんですが、「働く」っていう言葉では表せない気がしたんです。一般的な意味の「仕事」とはちょっと違うのかなと。

中村:

僕の中で仕事って「仕」方なくやる「事」なんですよ。でも自分が好きなことや楽しいことって「仕方なくやる事」だとは思わない。どんなことでもいかに楽しんでやるかだと思います。もちろんどうしてもやらなくちゃいけないこともたくさんありますけど、それ以上に楽しいことがたくさんあるので、自分の中で楽しいことが勝るんですよね。

―確かになんでも考え方次第で変わりますよね!就活生に届けたいお言葉です。最後に、学生に向けて何か伝えたいことはありますか?

中村:

とにかく好きなことをやりなさい、ということですね。そして好きなこともそうだけど、好きでも嫌いでもない、つまり興味のないことでも、一度触れてみたほうがいいですね。触れてみないとわからないこともあるし、もしかしたらそれが好きになって、ぐっとのめり込めるかもしれない。自分の中に色んなポケットを増やして、そこに経験を溜めていくと、後々そのポケット同士がつながって、新しい別のポケットができることもあります。壁をつくらずにいろいろなことを経験してみてください。

―なるほど、私も、とにかくやってみる、ことを大切に生きていきたいなと思います。
今日の取材は最初から最後までワクワクしっぱなしでした。やはり、しくみデザインさんの強みは人を楽しませることなんだなぁと実感致しました。素敵なお時間を本当にありがとうございました。

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SLOGAN

「すごい」は一度だけ、
「楽しい」は何度でも。

人間には楽しくて思わず笑顔になってしまうスイッチがあります。でも、そのスイッチを押すには、コツが必要です。

私たちは、これまで数え切れないくらいの「楽しくて笑顔になっちゃうスイッチ」を押す仕組みをつくってきました。それは、単純なのに飽きない仕組みだったり、大人が童心に返っちゃう仕組みだったり、様々です。こんなふうにスイッチを押し続けられるのは、私たちが押し方を知っているからです。

「すごい」は1度だけしか通じないけれど、「楽しい」は何度でも体験したくなる。私はいつも、そう考えています。「すごい」と思ったことは2回目に見ると、これ知ってる、になってしまうけれど、「楽しい」と思ったことは、またやってみよう、になります。いかに技術を感じさせずに「楽しい」と思ってもらえるか、感じてもらえるかが、私たちの腕の見せ所です。

「すごい」と思う前に何度も「楽しい」と感じて欲しい。 私たちのつくるモノには、その想いがぎっしりと詰まっています。

Company Profile

社名
株式会社しくみデザイン
設立
2005年2月4日
代表者
中村俊介(芸術工学博士)
資本金
50,200,300円
本社住所
〒812-0011 福岡市博多区博多駅前4-8-15博多鳳城ビル401
電話番号/FAX
092-474-0153
会社URL
https://www.shikumi.co.jp

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