兵庫県手延素麵協同組合/「そうめんやっぱり揖保乃糸」を、<br>美味しく、楽しく、世界中へ。

兵庫県手延素麵協同組合

「そうめんやっぱり揖保乃糸」を、
美味しく、楽しく、世界中へ。

播磨の小京都、龍野で生まれた、特産「揖保乃糸」。兵庫県手延素麺協同組合は、明治20年に設立されて以来、日本に手延べ素麺を提供し続けてきました。「そうめんやっぱり揖保乃糸」というフレーズを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?素麺と言えば日本の食べ物という認識が強かったのですが、実は海外展開も積極的に行なっていると知り興味を持ち、お話を伺いに訪れました。伝統を大切にしながらも日々発展し続けることを大切にするその思いを、営業部企画課の天川さん、黒川さんに詳しくお伺いしてきました。

兵庫県手延素麵協同組合 黒川さん/ 天川さんさん

シンプルな食べ物だからこそ、食べ方は無限大。

―本日はよろしくお願い致します。まず初めに「素麺づくり」において一番大切にされているポリシーは何でしょうか?

黒川:

お客様に「繰り返し食べたいと思ってもらえる素麺」を作ることを大切にしています。私たちの理事長が頻繁に言っていることは「食べて美味しいものを作る」ことです。当たり前かもしれませんが、もう一度食べたいと思ってもらえる安心で美味しいものでなければ今後に繋がることはありません。その前提を、関係者全員が共通の認識として持ち、「繰り返し食べたい」と思える素麺のみを製造販売することを心がけています。

―食品販売において最も大切なポイントだと改めて思いました。他にはどのような事業を行なっているのでしょうか?

天川:

製造するだけでなく、様々な食べ方や楽しみ方の提案といった、素麺文化を広めることにも力を入れていますね。例えば、調味料を扱う食品メーカーさんとコラボして、素麺を使った新メニューの開発をしています。カゴメさんと企画したのは「トマトつゆ」。今では、ゴマだれなど様々な種類の素麺つゆが他企業さんからも販売されていますが、それらの発端となったのが、このトマトつゆです。トマト嫌いの人にも食べやすいと多くの反響をいただいています。また、味の素さんとコラボした中華風のメニューや、はごろもフーズさんのシーチキンを使用したメニュー、他にもスパイスやハーブを取り扱う食品メーカーさんとのコラボで、カレーとお素麺の新メニューも開発しました。

―カレーと素麺って合うんですか!?

天川:

素麺にはカレーが絡みやすいのでとても相性がいいんです。私は、カレーうどんよりも、カレー素麺派です!ぜひ食べてみてください。

―試してみたいと思います!

黒川:

また、「売り方」という点で非常に画期的だったが雪国まいたけさんとのコラボです。スーパーなんかの小売店では、素麺って調味料売り場の近くに置かれることが多いんですね。「なんとか売り場を開拓できないか」という想いで企画したのが、舞茸を使った素麺料理のレシピ開発でした。舞茸などのキノコ類は鍋に合う食材で、冬中心の食材だったんです。そこで、夏に人気の素麺とともに売り出そうということで、舞茸の購買を促進。あわせて、舞茸の近くに素麺を置いてもらう提案を行いました。全く異なる野菜売り場に展開できたという点でとても画期的だと思います。舞茸と素麺の相性の良さを知ってもらうことは、結果的に冬場、鍋の季節に素麺を食べてもらえるきっかけにもなりました。

―私が思っていた以上に様々な食べ方ができるのですね。知らないのはもったいなかったです。

天川:

そうなんです。シンプルな食べ物だからこそ何にでもなれる食材なんです。お客様には様々な食べ方を楽しんでもらいたいですし、美味しい食べ方を見つけたらぜひSNSなどを利用して発信してもらいたいと思っています。

産地のブランド化。組合として品質統一を図る。

―ここからは、これまでの協同組合様のことについてお伺いしたいと思います。具体的には日々、どのような業務を行なっておられるのでしょうか?

天川:

兵庫県手延素麺協同組合では現在、兵庫県の南西部に位置する、たつの市、宍粟市、姫路市、佐用町、太子町に分布する約400件の組合員の方々と協力して素麺を作っています。組合は、組合員の皆さんが製造した素麺を特約販売店に卸します。その一方で、安定した給料をお支払いすることで組合員の皆さんの生活を支えることも重要な役割です。

黒川:

より具体的にどのようなことを行なっているかというと、まず組合は原材料等を一括で仕入れて、組合員の各生産工場へ供給します。組合員の方が作られた素麺は全量を専用の倉庫に保管。その後に、販売権利を持っている特約販売店に素麺を卸すところまでが仕事の流れです。

組合の大切な役割は、製造から販売までの徹底した品質管理。原材料から、衛生管理、伝統製法まで、組合の検査や指導を徹底して行います。製造された製品に関しても、組合の検査指導員によってチェックされ、検査に合格した製品だけが「揖保乃糸ブランド」として販売されるんです。

―なるほど。組合という組織の役割がとても明確にわかりました。組合が設立されるまでにはどのような過程があったのでしょうか?

天川:

播州で600年の歴史がある素麺づくりが本格化したのは江戸時代の中頃と言われています。揖保乃糸の故郷であるたつの藩が、素麺の発展を見越して素麺農家の保護育成を始めました。播州平野の温和な気候風土、清らかな揖保川の水、赤穂の塩。豊かな環境と、伝統の技によって、この周辺が素麺の一大産地へと発展しました。

 

天川:

しかし、個々の家庭で製造するために、素麺の品質にバラつきが出てしまうということから「産地のブランド化」ができないという問題が出てきました。そこで組織化が始まり、一つの組合としてまとまることで品質を統一しようと考えたのです。そして、組合の前身である「播磨国揖東西両郡素麺営業組合」が誕生しました。それが今から135年以上前の、明治20年のことです。その後、吸収合併を繰り返しながら、兵庫県手延素麺協同組合はさらなる発展を続けてきました。

世界に広がる揖保乃糸。

―地域と共に歩んできた長い歴史があってこそ今の組合があるのですね。最近では海外にも進出されているということですが、きっかけは何かあったのですか?

天川:

『揖保乃糸 ニューレシピグランプリインターナショナル2005』というレシピグランプリです。シェフの皆さんをターゲットにしたコンテストでした。開催してみると、想像していた以上に世界中からレシピが集まり、驚かされるレシピがたくさんありました。そこから、世界でも素麺の利用価値が高いと感じ、海外進出を始めました。そして翌年、ハワイのスーパーで試食イベントを行ったところ、4ヶ月間かけて売り切る予定だった商品がなんと4日間で売り切れ(笑)。ますます可能性を実感し、現在の海外展開に繋がっています。

―それ以降、海外ではどのような活動をされてきたのでしょうか?

黒川:

地域関係なく様々な国に展開し、試食会や食イベントへ積極的に参加しています。どの国でも和食に対する興味があるため関心を持っていただけます。例えばドバイで行った際、初めは麺をすすることができず「食べにくい」といった反応の人が多かったのですが、素麺で作った巻き寿司にする一工夫を加えることで、現地の食文化にもフィットし、興味を持って食べていただくことができました。嬉しいことに、どの国でも「美味しい!」という反応をいただきます。

また、素麺は基本的に小麦粉と水でできているので、宗教的な制限がない点も受け入れやすい食べ物だとを感じています。

天川:

現在はコロナの影響で現地での活動はストップしていますが、オンライン商談を通じて、展開を続けています。今後は、東南アジアを中心に進出していきたいと思っています。

「美味しく、楽しく」を、こらからも追い求めて。

―お話を伺ってきて、現状に満足せず新しいことに挑戦することを大切にされていると感じました。

天川:

素麺の味って、実は毎年異なります。取れる小麦も毎年違いますし、成分分析の技術も年々上がっているためです。例えば、乾燥の過程を屋外乾燥から屋内乾燥に変えました。それは、太陽の光で乾燥させると小麦の風味が逃げてしまうため。屋内で乾燥する方が風味を閉じ込められてより美味しい素麺ができると分かってきたからです。また、国際的な認証規格であるFSSC22000を取得するなど、食品安全管理のシステムも時代にあわせて高い水準で対応することを大切にしています。

―時代に合わせて変化していく姿勢が重要なのですね。現在の理念として「豊かな心の創造と伝承」を掲げられていると思います。その理念はどのような想いから生まれたのでしょうか?

天川:

人は「美味しいものを食べたら幸せになる」と私たちは考えていて、ひいては、日々の暮らしの中で食は心を豊かにすると考えています。ところで、素麺には実は他の食材にはないポイントがあります。それは、「遊びながら食べても許される」ことです。流しそうめんはその典型例です。文字通り「美味しく、楽しく」食べられる食材と言えます。また、世代に関係なく食べてもらうことができます。それらの特徴や強みを生かして、多くのお客さんに幸せを届けられる食べものであればと思っており、今の理念に繋がっています。

―「食」以上の価値を提供しようとしている姿勢にとても共感します。そのような志を目指す中で、どのような人たちとともに働きたいと思われますか?

黒川:

「何にでも挑戦したい」という気持ちを持つ人です。明確にしたいことが決まっていなくても大丈夫です。ただ「何かに挑戦したい」という気持ちを大切にできる人と一緒に働きたいと思いますし、その気持ちを持っていてば次にやりたいことを見つけることができる環境です。実際に、部署関係なくフラットな職場で自分がやりたいと思ったことに様々挑戦できています。加えて、地場産業であるため、やはりこの地域でしか作れないものです。なので、そのことに誇りを感じてもらえる人と働きたいなと思います。

天川:

素麺文化発展のためには、伝統を守るだけでなく革新が必要だと思っています。そのため、様々な価値観を持った人が組織には必要です。実際に揖保乃糸には多様な人材がいます。それに伴って、お互い助け合ってみんなの意見を受け入れる職場でもあります。揖保乃糸というブランドに責任感を持ちつつ、チャレンジ精神を持っている人が向いていると思います。ぜひ、少しでも興味があれば応募していただきたいです。

―新たなことに挑戦してみたいと思っている学生の皆さんにとっては活躍の広がる職場だと感じました!本日はありがとうございました。

〜編集後記〜
「揖保乃糸は伝統的なもの」だけではないと感じることが多々あり、取材前の私の偏った考えは一変しました。社員の方々のチャレンジ精神の大きさを感じ、今後も揖保乃糸が発展していく原動力になるだろうと強く感じました。お素麺という食材の可能性の大きさを実感した取材になりました。

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Company Profile

社名
兵庫県手延素麵協同組合
設立
明治20年9月9日
代表者
理事長 井上 猛
従業員数
158名  組合員数419名
本社住所
〒679-4167 兵庫県たつの市龍野町富永219番地の2
電話番号/FAX
0791-62-0826
会社URL
https://www.ibonoito.or.jp/index.html

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