株式会社ヒトカラメディア/オフィスに「意味」を作り、人に「意思」を持たせる

株式会社ヒトカラメディア

オフィスに「意味」を作り、人に「意思」を持たせる

オフィス移転を機に、働く場・働き方を変えることで、働く人を生き生きさせているヒトカラメディアさん。オフィス移転の企画から実現まで、幅広く事業を展開されています。また、都市だけではなく地域活性化につながるような活動にも取り組まれております。そんなヒトカラメディアさんに、具体的な事業内容から企業の志ともいえるミッション・ビジョンについてまで、様々なお話を伺ってきました!

株式会社ヒトカラメディア 高井 淳一郎さんさん

高井 淳一郎さん
株式会社ヒトカラメディア 代表取締役。岐阜県出身。名古屋工業大学・デザイン工学科卒業。オフィス仲介・建築、ビルオーナー向け新規事業開発に携わった後、ベンチャー保証会社の立ち上げメンバーとして参画。2013年5月株式会社ヒトカラメディアを設立。

「自分の意思」を持つこと

―本日はよろしくお願いします!初めに、会社の歴史について教えてください。

高井:

ヒトカラメディアは、2013年5月15日に立ち上げた会社で、今年で8期目になる会社です。やりたい事業があって会社を立ち上げたわけではなく、自分の中の人生のテーマとして掲げている「自分の意思を持って働く人を増やしたい」であったり、「チャレンジする人を増やしたい」ということをどう表現するか(事業とするか)は会社を立ち上げながら考えようと思っていました。

実際に、最初は移住に関わる事業を行っていましたが、自分のミッションに繋がらない可能性があると思い、この事業はやめました。その後、会社をブラッシュアップしていき、求められている中から自分のできることをしているうちに、オフィスの環境や場所、働き方を考えることは意義のあることで、世の中に与える影響度も高いということに気づきました。そして、今のオフィス移転のプロデュース事業に至りました。

私たちは、『「都市」と「地方」の「働く」と「暮らす」をもっとオモシロくする』というミッションを掲げているのですが、特にこの「働く」という要素は重要です。多くの人が、企業に所属している中で働いています。ですので、会社の働く場所や、働き方を考えることが、いきいきとした人を増やせるのではないかと思いました。

―初めにおっしゃっていた、高井さんの「自分の意思を持って働く人を増やしたい」や「チャレンジする人を増やしたい」という想いはどこから生まれたのですか?

高井:

昔から、「何者でもない自分」というコンプレックスのようなものが、私の中にありました。勉強はそれなりにできるが1位ではなく、スポーツはできる方ではない、人間関係も上手くやりくりする方だがトップではないといったように、ずっと自分のアイデンティティの置き所が定まらず、自分自身がどう生きるのかについて悩んでいました。その答えを見つけるために、大学時代には1人でたくさんのアクションを起こしました。例えば、学生団体を4つほどつくったり、企業からお金をもらってイベントを開催したりしていましたね。これらの活動を通して、結局、自分がどんなことをやりたいのかを見出すのではなく、自分がどうありたいのか、生きたいのかということが大事だと気づきました。そして、人の可能性を信じてみるということを思い続けながら活動してきたということもあり、世の中に対して「自分の意思を持って働く人を増やしたい」と思うようになりました。

高井:

実はもともと、建築家を目指していました。しかし、大学時代に建築学を学んでいた学生たちが家のことを「作品」と呼んでいたのを聞いて、家は依頼主の依頼を具現化したものであって、自分の作品ではないのでは?と疑問に感じたんです。このことから、私は家自体を作りたいのではなく、物や人、建物や商店街など、あらゆるものの可能性を具現化したり、引き出すことがしたかったのだと気づきました。先ほどの「自分の意思を持って働く人を増やしたい」という気持ちと「場づくりを通して可能性を具現化したい」という想いが掛け合わさり、今の事業に至りました。

―なるほど、そのような背景があったのですね。では、今の会社のミッションやビジョンはどのようにして生まれたのですか?

高井:

ミッションは先ほどお話した通り、『「都市」と「地方」の「働く」と「暮らす」をもっとオモシロくする』というもので、世の中のあり方や選択肢、価値観を増やすといったことをやっていきたいという想いからできています。私は、自分の意思を伴った選択をするきっかけをつくることが、意思を持って生きる人を増やすということに近づくポイントだと思っています。主体的に生きるには、自分で意思決定したことに対してどれだけの覚悟をもってしたのかということが重要です。自分ないしヒトカラメディアは、そのつなぎ目となる役割を担っていきたいと考えています。「都市」「地方」「働く」「暮らす」は、それを表現するワードで、これらのすべてが共存する中で会社のあり方を作っていくことがこれからの世の中に必要なことであり、その中に新しい選択肢や価値観が生まれることが大事なことだと感じたため、これらのワードをミッションとして掲げています。

ただ、このワードだけでは漠然としすぎているので、どこから取り組むべきかという方向性を示したものが、ビジョンである『「働く場」と「働き方」からいきいきとした組織と個人を増やす』になります。「働く」と「暮らす」では、「働く」の方が影響力が大きいので、企業の「働く」に対する価値観だとか、考え方を改善することで組織がより良いものになり、ひいては世の中全体も良くなっていくのではないかと考え、このようなビジョンを作りました。

独自のオフィスプロデュースの仕方

―改めて、事業内容について教えてください。

高井:

一言でいうと、オフィス移転のプロデュースをしている会社です。最近では、様々なオーダーをいただいていて、空間のブランディングや施設の運営プロデュース、ビルのプロデュースなどもしています。また、我々は、先ほど説明したミッション・ビジョンを実現するためのに何をするかという基準で、事業を選定しています。自分たちの「働く場」と「働き方」を考えることは、自分たちのありたい姿を考える機会にもなりますので、そのきっかけをつくりたいと思い、オフィスの移転のプロデュース事業をスタートしました。

高井:

具体的に説明していくと、その企業の成し遂げたいこと・事業計画・採用計画・資金調達についてなども踏まえながら一緒に移転先のエリアや物件を考えたり探したりするオフィス仲介から、オフィスの内側のテーマや目的を定めたデザイン・設計、移転をプロジェクト化し、総務部だけではなく様々な事業部の人を巻き込むような体制づくりをするプロジェクトマネジメントまで行っています。また、施工の会社もグループ会社として持っています。施工内容や、金額、スケジュールなどを自分たちで提案し、実現できるということは、ありたい姿を形にする上で大切なことになってきます。

次に、「施設の運営プロデュース」は、これまで培ってきたノウハウを活かし、自社施設をベンチャー・スタートアップ向けの家具付きレンタルオフィスやレンタルスペースとして貸し出しを行なっています。

最後に、「ビルのプロデュース」です。ビルの入居希望者がどのような基準で入居するビルを選んでいるかなどを我々は知っているので、オーナーさん側に入居希望者が入りたくなるようなビルをつくるお手伝いをしています。内装を考えたり、リーシングといったお客さんを紹介することなど、こちらの事業も企画や設計まで一貫してプロデュースしています。

―オフィス移転のプロデュースといっても、とても幅広いんですね。その中でのこだわりや強みはどの辺りにあるのですか?

高井:

強みでいうと、一貫してオフィスやビルをプロデュースできるところになります。ビルのプロデュースを例に考えると、普通は、企画・設計とお客さんを連れてくるリーシングなどは別々に行われますが、一貫してプロデュースすることによって、ビル側とお客さん側の両方のニーズを知った上での細かい企画・設計や、意思決定のお手伝いをすることができます。

また、我々の会社では、ベンチャー企業さんからのオーダーをいただくことが多いため、会社さんの想いやコミュニティなどをちゃんと知った上で、一緒に企画を考えていくことができます。このような点は、建築家さんの企画・設計とは異なる点だと思います。

最後に、「働く」という領域に軸を置いて展開してきているので、世の中の働き方を知った上で、企画を提案できることも強みだと感じます。「働く」と「暮らす」の境界が薄れつつある今、「働く」×「何か」という掛け合わせのプロデュースができるのは我々にしかできないことだと思います。

―ちなみに、ヒトカラメディアさんのオフィスはどのようにして作ったのですか?

高井:

オフィスができる前にみんなで集まって、どういう働き方ができるとよいのかについてワークショップを行いました。例えば、我々の会社は、事業部の数が多く、常に100〜150ものプロジェクトが同時進行している会社で、情報の共有が間に合わないということが問題点としてありました。この問題点を解決するために、事業部の垣根を越えてお互いが会話しやすく、興味を持てるような設計にしました。このように、経営的な視点から考えつつも、自分たちらしさを積み上げたのが今のオフィスになります。

実は今我々も移転の真っ最中でして、7月から下北沢の新しいオフィスに移ることになります。もちろん今回も、自分たちらしいオフィスとはどんな空間かを改めて考え、内装をデザインしました。おそらく9月頃には完成すると思うので、ぜひまた遊びに来てください。

上の写真は旧オフィス(6月撮影時点)の様子。現在はすでに新オフィスに移転済みです。
上の写真は旧オフィス(6月撮影時点)の様子。現在はすでに新オフィスに移転済みです。

―いままでの事例の中で、特に思い出深いものはありますか?

高井:

「株式会社OKAN」という、健康的なお惣菜を中心とした置き型社食サービスを提供している会社さんと仲良くさせてもらっているのですが、OKANさんが当時社員10人程度の規模の時に、オフィスのプロデュースをさせていただきました。全員参加のワークショップを行い、ミッションである「働く人のライフスタイルを豊かにする。」とはどういうことなのかを考えていくうちに、「オフィスに来た時に、自分の家に帰ってきたような感覚になれることが自社らしい」という考えに至りました。そうしてできた「チームワークを越えたファミリーワーク」「おかえり」というテーマのもと、靴を脱いでオフィスに上がったり、ちゃぶ台があったり、ふすまがあるとよいのではないかなどと内装について考えていきました。そして今では、これらのテーマが会社自体のバリューに組み込まれており、価値観の形成もお手伝いできたのではないかなと思っています。

人を巻き込み、世の中に熱源を増やしていく

―今後の展望について教えてください。

高井:

これからは、熱源を増やしたいと思っています。熱源とは、人の原動力となるような想いであり、さらに、他の人をも巻き込んでいく力だと考えていて、オフィスも1つの熱源になると思っています。

今、島根県で、住民の皆さんに参加してもらい、人を巻き込む仕組みや仕掛けを増やすことによって、熱源を増やしていこうというプロジェクトを行っています。企業の垣根を越えたリビングラボのようなものを作っていければいいなと思っています。リビングラボとは、企業や行政だけではなく、住民やユーザーの声を拾い上げて共に新しいサービスを共創していくことをいいます。街の課題を行政や企業だけが解決していくのではなく、街の人や、行政や企業も、同じ方向を向いた組織のようなものを増やしていきたいと思っています。地域住民参加型の取り組みや、1つの目標に向かって多様な人々が交じり合っていくことで、自立的に課題解決をしていくようになるのではないかと感じています。そのような住民の方と一緒に行う、巻き込み事業を行っていきたいですね。

―最後に、どのような人と一緒に働きたいですか?

高井:

ビジョナリーな当事者と一緒に働きたいですね。夢を語るだけであれば、誰でもできると思います。本当に大事なのは、その人が夢の渦中にいるのかという話で、夢に向かって何か行動しているかということです。夢を持ちつつ、自分事として捉え、行動したり、「意志を持ってチャレンジする」人たちと働きたいです。

―私も夢を持つだけではなく、行動に移していけるような人になりたいと思います。本日は、貴重なお話をしていただき、ありがとうございました!

取材・撮影:2020年6月 ※撮影時以外はマスクをつける等、コロナウイルス対策を十分とった上で実施しました。

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ミッション

「都市」と「地方」の「働く」と「暮らす」をもっとオモシロくする

ビジョン

「働く場」と「働き方」からいきいきとした組織と個人を増やす

Company Profile

社名
株式会社ヒトカラメディア
設立
2013年5月
代表者
代表取締役 高井 淳一郎
事業内容
ヒトカラメディアは「オフィス移転支援」を中心に「働く場」「働き方」に関するプロジェクト全般の企画・実現のサポートを行っています。
都内の成長企業のオフィス移転では、移転の要件定義からメンバーを巻き込むプロセス設計、拠点の選定、空間のプランニング等々、オフィス移転をプロジェクト化し、単なる引越しではなく、企業の成長や組織の活性化につながるアプローチで進めていきます。
オフィスだけでなく、コワーキングスペース、工場の作業員の方々の休憩棟、廃校活用の空間プロデュース、「働く」の観点からの地域活性など、様々な展開を行っています。
(コーポレートサイトより)
本社住所
東京都世田谷区北沢2-5-2 下北沢ビッグベンビル B1F (2020年7月〜)
会社URL
https://hitokara.co.jp/

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