株式会社フライヤー/本での学びは、自由への近道。

株式会社フライヤー

本での学びは、自由への近道。

話題のビジネス書の内容を10分でチェックできる要約アプリ、フライヤー。元経営コンサルタントである代表取締役の大賀康史さんに、起業のきっかけや要約に秘められた可能性を語っていただきました!

株式会社フライヤー 大賀康史さんさん

大賀康史さん
早稲田大学理工学部機械工学科卒業、早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。㈱アクセンチュアに入社、同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、本好きの同僚と共に、2013年に㈱フライヤーを設立。

スマホで、1冊10分

―本日はよろしくお願いします!まず、Visions Labは学生向けのWebメディアということで、御社の事業内容から教えていただけますか?

大賀:

フライヤーは端的に言うと、ビジネスパーソンに向けて、話題の本を1冊10分で読めるように要約し、アプリを通じてお届けするサービスです。フライヤーを通じて自分に合った本を見つけられるので、購入前の試し読みとしてもお使いいただけます。現在は約180の出版社にご協力いただき、1,800以上の要約コンテンツをご提供しています。普段本を読まない人にも、特定のジャンルの本しか読まない人にとっても、10分という短い時間は挑戦しやすく、出版社からは、本に触れてもらう、販売促進としてご認識いただいています。フライヤーに紹介されることで、他のメディアにも取り上げられることもあり、口コミの起爆剤としての側面もあります。

―就活生もターゲット層に入っているのですか?

大賀:

もちろん就活生にも使っていただきたいです。実際に、就活生の「使ってみて役立った。」という声もありますし、大学生にも便利に活用いただけると思います。flierのユーザーには最前線で働くビジネスパーソンが多く、そういった方々にとって有益な本が多くラインナップされています。それは、私の前職時代の、情報をインプットする時間が足りないという悩みが起業の契機になっているからです。

多忙な社会人生活、きっかけはイチ読者として欲しかったサービス

大賀:

私は、前職までコンサルティング会社に務めており、結構忙しくしていました。そんな中でも「日経新聞、週刊東洋経済を読みなさい。週刊ダイヤモンド、プレジデント、ハーバードビジネスレビュー…話題のビジネス書は全部カバーしなさい。それでやっと半人前だ」と言われていました。

しかし、社会人5年目以降、さらにプロジェクトが忙しくなると、自分で書店に行って本を選び、外の情報に触れる機会を日常に取り入れることがどうしても難しくなりました。そして「スキマ時間に本の概要がわかるようなサービスが欲しい」と漠然と思うようになりました。しかし、その当時はまだ「要約サービス」で起業するとは思っていませんでした。

ある日、プロジェクトの合間に時間ができ、本好きの同僚と雑談をしていました。その時に話題に上がったのが、「10分程度で本の概要がわかって、それもスマホでどこでもアクセスできる」まさにフライヤーのようなサービスでした。こんなサービスがあったら、まず自分が一番欲しいなと思いましたし、実は多くの人にとってニーズがあるものなのではないかとも思いました。何より、本が好きでしたので、本を読んでまとめることが仕事になるなんて、こんな素晴らしいことはないなと感じました。

―それからどのくらいで起業にいたったのですか?

大賀:

きちんと戦略を練って…と考えていましたが、実際は同僚と雑談した2ヶ月後には起業にいたっています。正直勢いで起業したという感じはありました。

―前職を辞められるときに、勇気はいりませんでしたか?

大賀:

実は、起業しようと決意してから一週間で会社を辞めました。ある金曜日に上司に伝えたところ、土日でその話が社長に届き、次の月曜日には「君の最終出社日は明日だ。」と言い渡されました(笑)。ゆっくり戦略を練るつもりだったので衝撃はありましたが、快く送り出していただきました。

―ええ!それはびっくりです。(笑)

大賀:

自身の“起業”に惹かれている状態でクライアントと関わることはけっして良いことではありません。コンサルタントとは、100%の気持ちでその会社と向き合ってやっと一人前のアウトプットが出せる職種です。当時、仕事をしている時も、頭の中の半分では「フライヤーのようなサービスを始めたらどんな感じになるだろう」と考えてしまっていたので、プロフェッショナルとしては失格です。それならいっそ会社を辞めた方が生き方として正しいのではないかと思います。

「社長って尊い仕事だ。」そう気づかされました。

―それまでは起業しようと思っていなかったんですか?

大賀:

全然思っていなかったですね。起業する人には初めから起業しようと思って社会人生活を歩む人と、なりゆきで起業する人の二種類がいます。私は後者でしたが、起業する前の一年間の経験が社長という存在の印象を大きく変えてくれました。

私は、ある家電量販店に経営企画室のマネージャーという職で出向していました。その当時、一日一時間ほど、社長のその日の悩みやお困りごとを、特に議題もなく応接間で話す時間がありました。それまで私は、社長という存在は大事な書類が上がってきたらハンコを押す人だという程度の印象しか持っていませんでした。大企業の社長といえば会議室の端に座って何も話さず、周りの人がその表情を汲み取って忖度するみたいな。それでいて、一言二言がめちゃめちゃ深いのですが…

しかし、その社長は違いました。話してみると、人情味溢れていて、厳しい施策をするときも大変考えをめぐらせる方でした。時には涙を流しながら一つひとつの決断をされていることもありました。その時に、「ああ、社長っていうのは尊い仕事だな。」と気づかされました。今思うと、「いつか大きな会社で社長をしてもいいのかな」と思ったのは、その方がきっかけだったかもしれません。経営者というイメージや仕事が少しクリアになりました。

―素敵な出会いですね…。大賀社長は、ご自身をどんな社長だと思われますか?

大賀:

自分ですか!(笑) そうですね…、頼りない社長じゃないでしょうか(笑)。
自分でもよくわかっているのですが、私は万能な人間ではありません。しかし、私に限らず人というのは、皆それぞれが優れた能力持ちつつも完璧な存在ではない、けれども尊い存在だと思っています。フライヤーはそれぞれが自分の優れた能力を発揮できる会社でありたいと思っています。

“要約” が持つ力、「時短」と「発見」

大賀:

私は、忙しくしていたコンサルタント時代も、最新のビジネス書から知見を得ようとあらゆる本を手に取りました。しかし、実際本を買って読み進めている内に「あれ?なんか自分が思った本と違うな。」という経験が何回もありました。みなさんにもこのような体験は少なからずあるでしょう。結構がっかりしますよね。支払った2,000円ももったいないけど、この先を読む時間はもっともったいない…なんて考えちゃうとき。

―あ~、それめちゃめちゃあります!(笑)

大賀:

そういう経験が本離れの原因になってしまうのは、すごくもったいないことです。しかし、あらかじめ要約を読むことで、その本が自分の関心領域なのかどうかある程度判断することができます。さらに、実際に本を読むときも、これから読む本の“幹”が分かっているので、本を読む速さも上がり、「ここは重要な部分だ」と強弱をつけて読むことができるなど、理解も深まります。

―お話を聞くと、「時間がない人」だけでなく「時間があってじっくり本を理解したい人」にも要約の意義がありそうですね。

大賀:

そうですね。ある人に「フライヤーの価値は、日常暮らしている中で見つけられなかった本を、しっかりカバーできるところにもあるよね。」と言っていただいたことがあります。フライヤーの要約はさまざまな使い方ができるのです。

要約の質が高い、その秘訣とは!?

―フライヤーさんのこだわりは何ですか?

大賀:

何と言っても “質の高さ” です。まず、要約を書く人は、ご自身でも本を出せるほどのプロのライターです。出来上がった要約は、社内の編集者が元の本を読み直して、本当にその本の内容と合致しているか確認、編集します。最後は、その本の出版社の担当の方や著者に確認してもらいます。つまり、本の作り手にもしっかり要約を確認してもらい、その内容を担保していただいているのです。

―著者に確認いただいているのは驚きました!ただ、すごく時間がかかりそうですね。ライターの方は社内の社員さんですか?

大賀:

いいえ、現在約50名の社外のライターに協力していただいています。ジャンルごとにその分野の専門家が要約を作成することによって、専門性の高い書籍でも質の高い要約を作成することができています。

―まさに、公式の要約ですね!

大賀:

はい。ここまでやっている会社は他にないと言われます。

「ヒラメキ溢れる世界を作る」

―フライヤーさんは「ヒラメキ溢れる世界を作る」というミッションを掲げていらっしゃいますが、「ヒラメキ」とはどういうものでしょう?

大賀:

経済学者のシュンペーターは「『イノベーション』とは既存のものと既存のものとの“新結合”だ」と言いました。わたしが大学院の授業で言われたことは、「既特許の99.9%が他の特許や教科書の内容の組み合わせでできている」と。つまり、イノベーションや「ヒラメキ」には、まず質の高い知識をためることが必須なのです。

フライヤーでは、Web・アプリによる要約サービス以外に、flier book laboという読書コミュニティーづくりに取り組んでいます。参加条件は、「課題になる要約を読んでいる」ことだけ、2週間に1回のペースで開催しています。

普通の読書会は、本をしっかり読まれている人同士で語るものが多いため、少し敷居が高いですよね。flier book laboは、「要約を読むだけ」で参加できるので、参加のハードルがとても低いです。さらに、本の内容をただ議論するだけではなく、そこに自分の価値観や、実生活にどう取り入れるのかなどを深める議論をします。本とだけではなく、自分や他者と向き合い、たくさんの学びがある読書会になっています。

―最後に、フライヤーさんが実現したい社会とはどのようなものですか?

大賀:

私は、人が何かに縛られないような生き方ができる世の中になったらいいなと思っています。それは、自分が追いつめられた時に違う選択肢があったり、自分の可能性を制約されないような人生を歩める世の中です。“liberal arts(※)”という言葉があるように、学びとは、自由になるための手段です。大人になるといろいろ制約されることが増えてきますが、学ぶことによって「ヒラメキ」という人生の選択肢を広げ、自由な生き方ができるように、フライヤーを利用していただきたいと思っています。

(※)リベラルアーツ。直訳、一般教養。語源は、ギリシャ・ローマ時代の「自由7科目」から来ており、自由人になるための素養として使われていた。

〜編集後記〜
今回は、要約アプリという新しい発想のサービスについて、また創業に至った背景について、お伺いしました。「知見を蓄えること(本を読むこと)」は「自由への技」であり、イノベーションの根源であるというお話は、本当にその通りだと感じました。そして、要約アプリというサービスは、忙しい現代人のための「自由への近道」のようなものだと思いました。読者の皆さまには、要約が持つ可能性はもちろん、「なぜ知見を得るのか?」という根本の問いを考えてみていただければ幸いです。
“社長”や“起業”に対するイメージが変わったきっかけもお話いただきましたが、大賀様ご自身もとても気さくで人間味溢れており、大賀様が経験した時のように、私の“社長”のイメージが変わる機会になりました。貴重なインタビューをさせていただき、誠にありがとうございました。

ミッション

ヒラメキ溢れる世界を作る

Company Profile

社名
株式会社フライヤー
設立
2013年6月4日
代表者
大賀 康史
事業内容
本の要約サービス「flier」の開発・運営
本社住所
〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル8F
会社URL
https://www.flierinc.com