株式会社地域ブランディング研究所/ストーリーあるまちで溢れる日本に

株式会社地域ブランディング研究所

ストーリーあるまちで溢れる日本に

今回は、地方の観光ブランディングを手がける株式会社地域ブランディング研究所について、代表取締役の吉田博詞様にお話をお伺いしました。

株式会社地域ブランディング研究所 吉田博詞さんさん

吉田博詞さん
新卒で株式会社リクルート住宅情報Divに入社し、その後株式会社地域活性プランニングへ転職。約10年間で様々な事業に携わり、2013年に独立して株式会社地域ブランディング研究所を設立。

まちの日常を、自走可能な産業に

―今日はよろしくお願いします。まずは御社の事業内容について教えてください。

吉田:

よろしくお願いします。弊社は社名にある通り、地域のブランディングをサポートしています。各地域に眠っている、実は外から見ると他にはない魅力的な生活文化や風習、空間、まち並み、食といったものを見つけ出して稼げるものに変えていく、そしてそれを後世に残せる仕組みをつくることを目的として活動しています。まち並みや食といった各地の魅力的な文化は、ただ伝えるのではなく、それらの背景にあるストーリーを理解してもらうことでより付加価値が高まります。マーケティングに多額の投資をしないとお客様が集まらないようなものでなく、背景を理解してもらうことで、その地にファンがつき、クチコミで広がるようになり、結果としてより稼げるようになることが我々の目指している地域ブランディングのかたちです。

―具体的に、どういった内容でプロジェクトが組まれているんですか?

吉田:

我々は一気通貫したサポートを常に心がけています。その地域の魅力を発掘するところから始まり、それをしっかりと磨き上げ、売れるチャネルに載せ、それを回せる事業をつくり、最終的にはその事業を回しつづけていける人材の育成まで、つまりその地域が自走できるようになるまで一貫してお手伝いをしています。

―自走できるようになるまでお手伝いするのはすごいですね!ちなみに、競合他社などはいるのでしょうか。

吉田:

競合というのは切り口によるところがありまして、マーケティングとプロモーションが専門の会社や地域のコミュニティづくりを行っている会社、地域の特産品開発をやっている会社など、特定の部分に特化した形でやっている競合の会社はたくさんあると感じます。ただ、我々のように最初から最後まで一気通貫してサポートする、というスタンスの会社はほとんどないかなと思いますね。

―先ほど、「稼げるものに変えていく」というお話がありましたが、やはり「稼げるようになる」ということが重要なんでしょうか。

吉田:

今、多くの地域で後継者がいなかったり、移住、定住したいけれど、職がないという問題は非常に大きくなっています。地域のコミュニティやそこにある想いはとても大切なのですが、持続していかなくては意味がないですよね。持続性という観点でみたときに、地域の良さや文化を活かした、ちゃんと稼げる商品や産業をつくっていく必要があるのです。そうすれば、移住を考えている人も「この素晴らしい空間の中でちゃんと稼ぎながら生活できるんだ」と魅力を感じてもらえると思うのです。

―大切にしたい文化や想いを守るために、「稼ぐ」ということが重要なんですね。御社の事業で特に力を入れているターゲット層はどこなのでしょうか。

吉田:

我々は特にインバウンドの獲得に力を入れています。外国人からの目線で何が魅力なのかを考え、そこにフォーカスします。国内ですと、ゆるキャラやユーチューバーを通じた話題づくりはある程度流行りましたし、やりきった感があります。我々の一番の目的は、世界に通用する日本の地域をつくり出すことです。単純に東京、大阪、京都といった大都市だけでなく、よりローカルな生活そのものを欧米の旅行者に知ってもらいたいのです。もともと欧米の方たちは自身の文化や生活に一定の誇りを持っていて、外国を旅行するときに、自分たちとの生活の違いやその文化的背景を知りたいという需要があります。そんな彼らに、日本にはこんな文化があり、それを受け継いでいる人たちがいるんです、ということをしっかりと訴求したいのです。

それができて観光が成り立てば、このままだと廃れて無くなっていく文化を保全することもできます。まさに、「守るために稼ぐ」ですね。また、外国人旅行者が増えると、それを通じて逆に日本国内でも注目されることがあり、そのまちの人たちも自分たちのまちに誇りを持つことができます。

―なるほど。自らのまちに誇りを持つということが、産業の自走にも繋がっていきそうですね。

吉田:

おっしゃる通りです。そのためには、局地的な観光スポットというよりもライフスタイルに魅力を見出した観光にすることが大切です。その方がストーリーもあって、掘り下げれば掘り下げるほど独自性が出てくるんです。物見遊山的な観光スポット巡りはやり切ったという観光者がどんどん増えているこの時代に、大きな驚きや感動を与え、知的好奇心を揺さぶるものは、ライフスタイルの体験なのではないかと思います。

―インバウンドを意識する理由には、国の経済への貢献という意味もあるんでしょうか。

吉田:

その側面も大きいですね。日本全体で人口が減っていく中で地方創生の課題に直面している今、国内で移住・定住を通した人口の奪い合いをしても、より大きなダメージを受ける地域が必ず出てきます。そんなことをしていても先の希望は何もないな、と感じるんです。インバウンドを視野に入れれば、これまで見えなかった市場が見えてきます。

加えて、世界で見ると観光産業は産業として三番目に大きい市場規模となっているのですが、日本の観光産業にはそこまでの規模はまだありません。外国人観光客を取り込むという部分で追いつけば、日本の観光産業はもっともっと伸びます。地域にインバウンドを取り込む観光産業は、非常にワクワクするブルーオーシャンの市場が広がっていると思います。

国内、国外、そして次の世代への架け橋に

―吉田さんは、リクルートから観光の企業に転職されていますよね。どういった経緯でそのキャリアを選んだのでしょうか。

吉田:

私は学生時代から地域活性化に携わりたいと思っていました。大学時代も都市計画やまちづくりの専攻だったのですが、単純に都市を開発するというよりも、田舎にある魅力を高め発信したいという気持ちや、消えようとしている日本の地方の姿に対してすごくもったいないという気持ちを抱いていました。自分自身、広島の田舎出身だということもあるのかもしれません。日本全国を旅してみたり、世界の色んなまちを訪れたりする中で、日本の都市が非常に便利だけど全部同じ見た目のまちになっている、と感じていました。面白い商店街なんかは廃れて郊外のロードサイド店やメガモールに商店が吸収されてしまっていたり、祭りなどの光景が消え去ってしまっていたり…。

そんな現状をなんとかしたいと思っていた時に、リクルートに地域活性事業部があることを知り、そこで学生アルバイトをし、その延長でリクルートに入ったんですね。ただ、配属されたのは住宅の部署で、やりたい地域活性の事業とは異なっていました。そのため、アルバイト時代のリクルートの先輩が立ち上げた「地域活性プランニング」という会社に転職し、その人の下で学ぶことにしました。

―そこから起業に至った経緯はなんだったんでしょうか。

吉田:

一つは、20代の7年間ほど、その会社で一通り学ばせてもらったということ。もう一つは、その会社は国内向けの事業展開が中心で、学生時代に接点を持っていた海外にももっと関わりたいと思いはじめたこと。それに、3.11以来人生を考え直すようになり、自分自身、少し違う環境でチャレンジしたいという気持ちがあったことも起業した大きな理由ですね。

―御社はどういった理念を掲げていますか?

吉田:

「まちの誇りの架け橋」というミッションを掲げています。地域に眠っている「誇り」を、我々が架け橋となって国内、国外、そして次の世代に伝えていこう、という意味です。我々はメインプレーヤーではなく、あくまでも主役は地域の人々で、彼らだけで自走していくモデルをつくることが最終的なゴールです。その黒子として伴走し共に汗をかいて、地域の皆様が気づいていない部分を伝えていきつつ、少しでも良い流れをつくることに貢献することが我々の役目です。

―その理念は創業当初からあったんでしょうか。

吉田:

地域の持続可能な活性化に貢献したい、という想いは学生時代からあり、私のライフテーマでもあります。その想いで創業したのが弊社ではありますが、明確な理念をつくったのは創業間もない頃ですね。当時の社員やインターンの学生も交えて、話し合いながら言語化したのがこの理念になります。

―社員の方々に理念の浸透はされていると思いますか?

吉田:

そうですね、将来は自分の地元に帰って地元を良くしたいという想いを持ったメンバーが続々と集まっているのは弊社の一つの特徴でもありますね。オフィスはここ浅草にありますが、メンバー全体で見ても関東圏出身は全体の1割くらいしかいないんです。その関東圏出身の社員も、「東京以外にも良いまちが日本にはいっぱいあるから、そこに貢献したい」という人たちがジョインしてくれています。

先ほどもお話ししたように、マーケティングやコンサルに特化した会社はあっても、そこにまつわる全行程を一気通貫でやります、という会社はかなり少ないので、ネットで探してもなかなか見つからないと思います。地域をよくしたい、よくなっていくのをしっかり見届けたい。そんな熱量を持った方たちにとって弊社は、「いろいろ探し回ってようやく見つけた会社」という存在でもあったりします。

―雰囲気や性格という面ではどういう感覚ですか?

吉田:

あそこに貼ってあるボードを見て分かるように、暑苦しいタイプが多いかもしれないですね(笑)。人間関係で言うとウェットで、週末もみんなで飲みに行ったり、町会の皆さんと神輿を担いだりしてます。それらは業務の一環というよりも、純粋に興味があってやっているように感じますね。オフィスが浅草にあって、そういった行事に参加できることをありがたく感じてくれているメンバーが多いです。

学生だからこそ受けられる学びがある

―今後はどのような事業方針を考えていますか。

吉田:

最近、オーバーツーリズムとか、観光公害といった言葉があります。もちろん観光業という産業は必要な産業ですが、過度な推進による負の側面が露見するムーブメントも強くなってきています。我々の考えからすると、各まちに一定のキャパシティ、程よい観光との距離感、バランス感があるのです。一時のブームで大量の観光客が来て、半年後にはまた全然人が来ないというような事態は持続可能性という面で利益ではありません。SDGsの概念は今急速に広まっていますが、我々も持続可能性というものを追求していきたいです。新しい何かを生み出すのではなく、日本の中で元からあるものを思い出し再認識してもらいたいのです。みんながこぞって駆けつけなくても、分かる人には分かるプレミアムな体験が多少高い単価でも消費され、自然と地域が自走する、そのような姿をめざして事業を進めていきたいです。

そういった持続であり再生でもあるのですが、それが日本の様々なところで実現できれば、日本はどこに行っても同じまちではなく、こんな趣味の人はこのまちがいいし、このライフスタイルが好きな人はこのまちがいいし、といったまち選びができるようになります。そういったストーリー性あるまちが溢れる日本になれば、本当にワクワクするな、と思うんですよね。

―そんな未来に向けて、どういった仲間を求めていますか。

吉田:

やっぱりまずは熱量のところで、自分のまちでも知らないまちでもいいですけど、まちをよくしたいとか、いい地域がたくさんあるのにもったいない、といった想いの熱量を高く持った方にもっともっとジョインしてほしいな、と思います。

また、能力という話で見ると、率直に、地域を変革できる力を持った人材に来てほしいです。今広島で事業を加速させているように、他にもそういったスピード感を持ってメンバーの地元などで事業を進め、その中で新たな手法であったり、トレンドを見つけたら東京からシェアする、そういったことをもっともっとやっていきたいと思っています。そのように、地域でキーマンとなって活躍できる人材を、我々が育成し活躍してもらう。そういった成長機会を提供しつづける組織にしていきたいですね。

―吉田さんの経歴の中でも学生時代の想いを今も強く持っていらっしゃるように感じますし、御社は学生インターンをかなりしっかりメンバーとして見ている印象も受けます。吉田さん自身、学生という存在に何か特別な想いがあったりするのでしょうか。

吉田:

私がすごくラッキーだったと思っているのは、学生時代にいわゆる就活とかはあまり関係なく、自分の信念を持って仕事をするプロフェッショナルと会うことができたことです。こんなことで飯食ってる人がいる、とか、こんなに仕事に誇りを持って目をキラキラさせて語る大人がいる、ということを教えてくれる大人がたくさんいましたし、自分のやりたいことを伝えると、その道に近づくためのキャリアを一緒に考えてアドバイスしてくれる大人もいました。

―それはすごく嬉しいことですね。

吉田:

そうなんです。当時、そんな大人たちと自由に話せる学生という身分が本当にありがたかったのです。社会人になると、仕事が忙しかったり、社会的責任も増してきたりするので、学生のときほどは自由がきかなくなりますからね。その時、世間で一般的にいわれる「成功」の道とは違っていても、多少のリスクは負いつつも、自分の人生に本当に誇りを持てる生き方を知ることができ、自分もそうなりたいと思いました。そういう大人たちの後押しがあったからこそ私が独立に至り、今会社をマネジメントできていることを考えると、当時自分の夢を後押ししてくれた先輩たちにすごく感謝していますし、自分が学生の時に「あったらよかったのに」と思ったような会社をつくっていこうとも考えています。学生という立場を利用して、大人からの学びを最大限に受けることで、大切なことをたくさん学べると思います。

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VISION

まちの誇りが輝き、ワクワク・感動あふれる日本へ

日本は、人口減少時代に突入しています。もはや従来のまちづくりでは通用せず、後世まで持続的に稼げるまちづくりへの転換が必要です。

世界的な都市間競争が激化する中で必要なのは、内需だけでなく外需も取り込める都市・地域への転換です。そのためには、わざわざ行きたくなる、誰かに自慢したくなるまちづくりや、お金を払ってでも体験したくなる、歴史・文化を背景とした見せかけではないホンモノの体験のプログラム化・発信が急務です。

日本の観光産業は「訪日観光客を2020年に4000万人、2030年に6000万人を目指す」という国家戦略目標が掲げられました。これまで眠っていたまちの魅力を発掘し、物語を編集してプログラム化していけば、日本のあらゆるまちがブランディングされ、目標の達成も可能になります。

「日本のまちの誇りをもっと後世に残していきたい」というパッションをもったメンバーが、高付加価値型の稼げるまちづくりを応援していくことで、国内・海外・次世代へのまちの誇りの架け橋となるべく、汗をかき続けます。

MISSION

まちの誇りの架け橋

地方創生という言葉がはやっていますが、我々は他のまちとの差別化要素を明確にし、外貨を稼げる力を持つ強いまちづくりと、それによってまちが持続的に生き残っていくことを応援しています。

⒈ 魅力を発掘・独自化し、ファン定着の仕掛け作り

外からの立場で、地域に眠る歴史・文化・グルメ・ひと・風習・景観・祭り・コミュニティ等の魅力のうち何が他と差別化できる特別な価値なのかを整理し、ターゲットを明確にして発信します。ターゲットのセグメントをより明確にすることで、本質的なリピーターやファンを創っていくことをめざして動きます。

⒉ わざわざ行きたい、特別な稼げる体験への磨き上げ

モノ消費からコト消費が叫ばれる中、面白い・わざわざいきたい・自慢したくなる体験のプログラム化が必要です。他ではできない、“ここだけの体験”に対しては、しっかりと対価を支払ってくれる可能性があります。感動体験を提供することで、クチコミ・ファン拡大を行える、受入体制構築を応援します。

⒊ 持続可能に事業を経営できるひと・組織づくり

まちを持続的に残していくには、そもそもの人材育成・組織作りが必要です。セミナーやワークショップ等を通して、人材育成もお手伝いします。また、将来が有望な優秀な若者と日本のまちを魅力的に変革していく会社・組織をマッチングしていくことで、より強い組織づくりを応援します。

これら3つのアプローチからまちをブランディングし、より強いまちづくりをサポート致します。

SPIRIT

地ブラスピリット「まちの課題を解決し、変革できる人材」

PASSION 情熱
パッションをもって顧客に価値提供しよう

LOGIC 論理性
論理的に情報、統計を編集して新しい解決策を提示しよう

ACTION 現場主義
現場を大事に汗をかき、ゴールを目指して伴走しよう

ACTION

行動指針

1. ゴールから逆算し期日までにやりきろう
2. 学び続け、専門性が突き抜けたプロになろう
3. 納得いくまで現場で動き調べ考え、自ら解決策を導き出そう
4. 成果へこだわりを持ち、顧客と信頼関係を構築しよう
5. 仮説・挑戦・改善・仕組化を重ねて成長しよう
6. 謙虚さ・素直さ・感謝の気持ちを持ち続けよう
7. チームの成果のために連携し、役割を全うしよう
8. 自ら機会を作り出し、世の中にイノベーションを起こそう
9. ふるさと・家族・仲間・パートナーを大事にしよう
10. 自責&ポジティブ思考で動こう
11. 伝えたかでなく伝わったかが大事、相手の立場で考えよう

Company Profile

社名
株式会社地域ブランディング研究所
設立
2013年3月
代表者
代表取締役 吉田 博詞
従業員数
60名(パート・インターン含む)
事業内容
地域ブランディング事業・インバウンド事業・イノベーション人材育成事業
本社住所
〒111-0034 東京都台東区雷門2-20-3 アクアテルースUⅡ 8F
電話番号/FAX
03-5246-4248
会社URL
https://chibra.co.jp

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