
モバイルゲーム事業などを行うエンターテインメント企業であるアカツキさん。今回は今年度20代で初めてアカツキの役員になった野澤さんと新卒採用を担当している岸田さんのお2人にお話を伺いました。志のお話を伺うなかで、「自分のやりたいことに耳を傾ける」という大人になって忘れてしまっていたかもしれない大事なことを思い出させてもらいました。読者の方にも読んでいただく中で、この大事な考え方を思い出してもらえればと思います。
野澤 智信さん
2014年新卒入社。
2020年6月戦略の執行を行うExecutive Leadership Team(ELT)メンバーに就任。
Head of IP BusinessとしてIPづくりに向けた映像事業の立ち上げ及び、新作タイトルのプロデューサーを務める。
岸田 哲宜さん
2017年新卒入社。
入社後はモバイルゲームタイトルのプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーを経験。現在は新卒採用を担当している。
―本日はよろしくお願いします。まずは事業内容について教えていただけますか?
岸田: 私たちアカツキは、モバイルゲームを軸としたIPプロデュースカンパニーで、海外展開も積極的に行っている企業です。IPビジネスとは発明やデザインなどの知的財産を販売したり、貸したりすることで利益を得るビジネスのことです。例えばA社がある人気キャラクターのIP(知的財産権)を持っていたら、ゲーム会社と提携してその人気キャラクターのゲームを展開することができます。このときA社はキャラクターを使用する権利を与えるかわりにお金をもらうわけですね。わたしたちはそのプロデュースを事業として展開しています。
―なるほど。アカツキさんではどのようにIPプロデュース事業を進めているのでしょうか?
岸田: 既に多くのファンがいるIPを版元からお預かりする場合は、そのIPの世界観とファンの皆様の声を大切に、IP全体の成長戦略に貢献できるようにゲーム開発と運用をさせていただいています。一方で、私たちのオリジナルのIPを創出することにも積極的に挑戦していて、こちらは10年単位という時間をかけてキャラクターや世界観を育てていきます。
―かなりロングスパンでのプロジェクトになるんですね。ちなみに、海外展開についてはどのように進めているのでしょうか?
岸田: アカツキは日本のベンチャー企業としてはかなり早い段階から台湾に拠点を構えていました。2014年に台湾に現地法人を設立し、モバイルゲームを翻訳するなど海外に向けたローカライズをしています。競合のゲーム会社が世界各地に拠点を構えるのに比べ、アカツキは台湾に海外展開の拠点を集中させ、日本と台湾が密に連携を取りながら世界各国にゲームを展開できる仕組みを持っています。アカツキが手掛けたゲームが世界各国で何度も首位を獲得できているのは、こうしたアカツキ独自の海外展開の基盤によるところです。
―なるほど。海外展開の基盤があるのが強みなんですね。他に、アカツキさんの強みはどういった部分にありますか?
野澤: ゲームが出自であるのが強みです。どういうことかというと、エンターテインメント業界の中でアニメの市場規模は3兆円、映画は6兆円、ゲームは16兆円、さらに2年後には22兆円になるともいわれています。つまり、エンターテインメントの中でゲームは一番大きいマーケットであり、成長性も見込めるということです。先ほどもお伝えした通り、アカツキは今後さらにIPプロデュースに力を入れようとしています。そうした中でIPのアウトプットをする際に出版や映画よりも市場規模が大きいゲームで戦えるというのは、それだけ影響を及ぼせる人も多いわけです。だからゲームが出自というのは俯瞰してみると強みになると考えています。 IPプロデュースでは、マンガ、アニメ、小説、映画、グッズ、ゲームとメディアミックスと呼ばれるようにチャネルを跨いでIPを成長させていくことになります。その中で、最も大きい市場であるゲームを主軸においているという点で、我々がIPビジネスを大きく展開できる可能性を持っていることになります。また、ゲーム開発ではキャラクターの動きやストーリー展開など非常に高度な技術が必要であり、また、ゲームを運用していくフェーズにおいてはファンの皆様の感情にタッチし続ける、持続性のあるファンマーケティングのノウハウが必要です。こうしたノウハウはゲームだけでなく、他のメディアにも応用が効くところであり、そういった点でもゲームを出自にしているというのは強みになる、と考えています。
―たしかにゲームを軸にしたIPプロデュースというのはアカツキの強みですね!
―ビジョンである「A Heart Driven World」とはどういう意味なのでしょうか?
岸田: まず「ハートドリブン」が何なのか、というところですが、必ずしも「これが正解!」という捉え方はありません。社員の数だけその捉え方があっていいんです。ただ、大人になるにつれ、しがらみが増えて本当にやりたいことができなくなっていく現状がある中で、内発的な動機、自分がやりたいことに耳を傾けてやっていく、というところが「ハートドリブン」に近いのではないかと思います。つまり「A Heart Driven World.」は世界中の人たちが、自分の心の内側でやりたいと思っていることに耳を傾けていける世界を目指しているわけですね。加えてエンターテインメントは力を秘めています。例えばアニメの主人公の一言で自分の世界が広がった経験のある人も多いと思います。そういったエンターテインメントの可能性も踏まえて、ミッションの「Make The World Colorful.」(世界をカラフルに輝かせよう)があります。
野澤: そうですね。しかもこのミッションやビジョンは皆で達成しよう、といった「目標」よりも「土壌」のイメージです。私たち一人ひとりの価値観や大切にしているものを土台にしていこう、そういう意味を込めてミッション、ビジョンを置いています。よって組織文化としても、それぞれが自分のいいと思うこと、大切にしたいことや夢を自律的に追い求めることに対して支援する形です。
―いまご説明していただいたビジョンやミッションは実際に社内ではどのように表れているのでしょうか?
野澤: 弊社では、個人の才能をつぶさないようにしています。日本の社会では、個人における「普通からはみ出した部分」をつい削っていってしまいがちですが、私たちは削るのではなく生かすことが大事だと考えています。ですので、個人の扱い方、集団になったときの個人の扱い方には気を付けています。 また、声を広げやすい、拾いやすい環境であることも必要です。そのために役職はありますが、上下関係だったり管理職だったりはありません。あと「わかちあい」という風土もあります。例えば、あるグループが何かを発表した時に、その意見に対して自分がどう思ったかを4,5人で輪になって話し合うことがアカツキではとても多いです。ルールは、たとえネガティブなことでも何でも言っていい、他者の意見に対して必ず拍手をするという2つです。こうすることで、何気なく言った違う事業部の人の意見が的を得ていることも少なくないですし、社内の改善フローを促すことができるわけです。
―素敵な風土ですね。何気なく言うからこそ、本質的な疑問も出てきやすそうですね。
―素敵なビジョンのお話をして頂きましたが、アカツキさんは世界がどのような未来になったらいいなと思いますか?
野澤: 心に従って働く人が増えるといいですね。そういう人が増えると生産性が高まるのではないかと思います。いまの日本では、GDPが成長していても、「自分は幸せである」と答える人の割合は変わっていない、むしろ下がっているという調査があります。つまりGDPの成長と幸福度には相関関係はないのです。そこで私たちは、個人の幸せを追求すれば結果として経済的にも発展するのではないかを仮説にして、証明したいと考えています。
―「アカツキさんがエンターテインメント事業をしていること」と「自分らしく働くこと」にはどういった繋がりがあるのでしょうか?
野澤: 「アカツキがエンターテインメント事業をしていること」と「自分らしく働くこと」は直接は繋がっていませんが、これらを繋ぐのがハートドリブンだと思っています。エンターテインメントは誰かの世界を広げる可能性を秘めています。誰かの可能性を広げるのに自分の心に蓋をして可能性を押し込めた働き方をするのは違うのではないでしょうか。そこで「自分の心の内側に耳を傾ける」というハートドリブンが、エンターテインメント業界で働くということと社員が自分らしく働くことの大事な架け橋になっていると思います。ハートドリブンを大事にしている人たちだからこそ良いサービスをつくれるのではないでしょうか。
岸田: 先程、野澤がポジティブな未来の話をしましたが、一方で、私はこの先、より一層自分で自分を向上させることに責任を感じる世界になるとも思います。今までは会社に所属していれば安心だったけれど、今は自分で考えて仕事をしていくことが求められるようになってきましたからね。そうした中で自分のやりたいことが見つからないって人が大半じゃないでしょうか。その時は、やりたいことが何かにとらわれずに、いったん目の前のことに集中して全力で取り組むことが大事だと思います。やっていく中で自分の強みや心動かされるポイントが見つかりますから、自分の可能性を探し続けることが大事ですね。
―そうですね。自分の可能性を探し続けることは大事だと思います。最後になりますが、どんな人と働きたいですか?
岸田: 先程の話と繋がりますが、自己研鑽を惜しまない人ですね。自分から範囲を決めてしまわずに、挑戦できる人はチャンスを掴めます。妥協せずに120点を目指せる人。失敗も振り返ることでちゃんと生かせる人。この一連の流れを回せる速度は人それぞれですが、どんどん早く回せるようになるといいですね。また、採用活動はあくまで人と会社のマッチングであって、お互いにとって幸せな関係が理想だと考えています。アカツキでは選考フローの後半に現場体験インターンがあります。そこで仕事内容や会社の雰囲気を知って、「ここで仕事をしたい!」と感じた方に来ていただきたいですね。
―PDCAサイクルをしっかり回せることは生きていく上で必須ですよね。本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂きありがとうございました。
〜編集後記〜
お金があれば幸せか。そんな議論は度々耳にしますが、自分の幸せを追求することで経済力も発展するのではないかという発想はとても興味深いものでした。自分が何をしたいのかに向き合う。そのためにまずは目の前のことに一生懸命取り組んで、その中で自分のしたいことや得意なことを探していくということも忘れてしまいがちですがとても大事なことですね。今回アカツキさんへの取材でたくさん大事なことに気付かせていただきました。ありがとうございました。
世界を動かす原動力とはなんでしょうか。
私たちは、世界を動かす力とは、
人の外側にある何かではなく、内側の心の中にある何かだと思います。
「心がワクワクする活動こそが、世界を輝かせる 」
答えはいつも私たちの内側にあります。
本当に自分の心がワクワクすることは何か。人生を何色に輝かせたいのか。
「感情を鍵に、心の扉を開いていく 」
そうすれば、怖さの先にある、ワクワク、喜び、愛、思いやりといった輝く感情の力に気づくはず。
それが、自分だけでなく誰かの幸せにつながる活動を生み出します。
“A Heart Driven World.”
心が求める活動が、みんなの幸せの原動力となる世界。
一人ひとりがワクワクしながら、自分らしく活動する。
その姿が、人を惹きつけ、つながりを生み、大きなうねりとなって、たくさんの人を幸せにしていく。
つながりの中で、自分らしく生きる時、世界は大きく輝き出す。
これが、私たちの目指す世界です。
2010年、小さなマンションの一室で、アカツキを立ち上げた時から、
感情を報酬とする、ハートドリブンな世界をイメージしてきました。
なぜなら、感謝や感動は、尽きることないリソースだからです。
青臭いという人もいるかもしれません。
でも、こんな世界を夢見ているのは、私たちだけじゃないはずです。
心の声に正直に生きよう。もし、道に迷った時には、問いかけよう。
「今やろうとしていることは、本当にハートドリブンなのか? 」
自分というたった一人の存在を輝かせよう。人生の旅を一緒に楽しもう 。
私たちは、アカツキという社名に「世界の夜明け」という意味を込めました。
「夜明けに差す光のように、
この世界をカラフルで輝く場所へと変えていく」
事業を通して、それを実現したいと思ったのです。
私たちにとって、エンターテインメントとは、心が動く素晴らしい体験のことです。
エンターテインメントには、大きな力があると信じています。その中でも、素晴らしいのは、
「世界が、変わって見える」
ということです。今まで何気なく過ごしていた日常が、急に色づきはじめ、 心が踊り、
そして時には行動や生き方さえも変えてしまう。
そんなポジティブな力が、エンターテインメントにはあると思います。
「心が動く体験を通して、一人ひとりの人生を豊かに色づけていく」
これが、私たちの使命です。
そのために、私たち自身もハートドリブンに、 ワクワクしながら事業に向き合います。
想いを込めたものは、人の心を動かすと信じています。
事業だけではなく、私たちの姿を通しても、世界に影響を与えていきたい。
だからこそ、ハートに従ってピュアに挑戦し続け、私たちらしい光を放ちたい。
いつか、その輝く光が、この世界をカラフルに照らしていくのだから。
Copyright © PARADOX Corporation. All Right Reserved.