就活を始める前に知っておきたい!企業人事から見た自己分析の目的とやり方。

/就活を始める前に知っておきたい!企業人事から見た自己分析の目的とやり方。

大学3年生になると、周囲の友人たちがどこかソワソワし始める。そして突然どこからか号令がかかって「3年生の夏インターンシップには行っておいた方がいい!」という風潮のもとでとりあえず一斉スタートする就職活動が、いまの日本の現状だ。

なんとなく号令はかかるものの、何をすべきかまでは誰も教えてくれないので、インターンシップを紹介するナビ媒体に登録してみたり、大学キャリアセンターが主催するキックオフセミナーに参加してみたり、すでに就職活動が終わった先輩に体験談を聞いてみたり、ひとまず、色んなところに顔を出してみる。

すると、おそらくどこに顔を出したとしても、「自己分析をまずやった方がいいよ。」というアドバイスを聞くことになるだろう。

この“自己分析”という概念こそが、就職活動に序盤から登場しながらも、自分がこの仕事に向いているのかの判断軸、そして最終的な1社を選ぶ意思決定まで、あらゆる場面に重要なモノサシとして居座り続ける。

先に“自己分析”の注意点に触れておきたいのだが、結論から言えば、自己分析に終わりなんてものはない。筆者の私も、社会人になってからも自己理解は深め続けている。

いままでの試験問題のように正解もないし、攻略法もない。禅問答のような、終わりなき旅の始まりである。

この記事の筆者でもある私は、ブランディング/クリエイティブ事業を通じて企業や個人の目的(≒こころざし)を明確にし、誇りを持って、生きる理由を語れる人を増やすことを掲げる株式会社パラドックスの人事としてはたらいている。

人事なので、もちろん自社採用がミッションなのだが、なんとか就職活動を通じて自分の意志で選んだ、納得感のある一社に出会ってほしいと弊社の志望度に関わらず、学生のみなさんのキャリア面談をさせて頂く機会も多い。

そこで「自己分析ってやってる?」と聞くと、

「もう自分のことがよくわかりません。」

「全然見つからないので、自分探しの旅に出ます。」

「自分の誇れるところが何もないので、病みました。」

など、憂鬱そうな答えが返ってくることが体感的に多い。

先日も弊社の企業説明会が終わったあとに一人の就活生が「自己分析をすればするほど自分が嫌いになっていく。」と涙ながらに相談してくれた。

自己分析は本来、幸せに生きるためのツールのはずだ。何かがきっとおかしくなっている。そう想って今回の記事を書くことにした。

いまの就職活動システムの問題点として筆者は、「自己分析はやったほうが良い。そのやり方は〜」という手段の話はあっても、「なぜ自己分析をやったほうが良いのか?」という目的の話があまりされないことにあると想う。

これは自己分析の話のみならず、OB訪問やエントリーシート、面接での一問一答など様々な場面で「おや?」と感じることがある。いわゆる、手段の目的化というやつだ。

こちらの記事では、新卒としての就職活動も経験して、いまは企業人事の立場も経験した筆者が、あらためて、「何のために自己分析をするのか?」というところから読者のみなさんと一緒に考えるような記事を書いてみたい。

「そんなことより、早くやり方を教えてくれ!」という方や、「内定に直結するような話だけしてほしい!」という方は本稿では、満足できないかもしれない。ごめんなさい。

一方で「自己分析をすることが、最近つらくなってきた。」「みんながやるからやれ!と言われてやるのは、あまりしっくりこない。」「内定はすでに出ているのだが、なぜか違和感が拭えない。」など、そういった読者の方がいらっしゃったら、ぜひ読んでもらいたい。

今回の記事が、就職活動や自己分析で悩んでいるあなたの何か少しでも、前に進む勇気やきっかけになりますように。

この記事の目次

【1】:そもそも自己分析は何のためにやるのか?

【2】:効率よく自己分析を進める2つのポイント

【3】:オススメの自己分析フレームの紹介

【4】:本当の自己分析とは?お互いが幸せになれる就職活動とは?

【1】:そもそも自己分析は何のためにやるのか?

自己分析のことについて、あれこれと述べていく前に、早速あなたに質問です。

「なぜ、あなたは就職活動において、まず自己分析が大切だ、と言われるのだと想いますか?」

何を当たり前のことを聞いてるんだ。と想った方も多いかもしれませんが、いま一度目的を考えてみてほしいです。

目的が曖昧では、そもそも手段の意味も薄まってしまうものです。「自己分析をやった方がいいと、先輩に言われたから」「就職活動の対策テキストに、やった方がいいと書いてあったから」ということが、まず最初に浮かんだ人は、少し危ないかもしれません。それは目的ではなくて、行動のきっかけにすぎないから。

下記に述べることも、僕がいま現在考える自己分析の目的論であって、あなたの納得感とは違うものかもしれない。しかし、それはそれで感じた違和感を分析して自分なりの答えを見つければいいと想います。その目的から考えてみる思考と時間に価値があるはずです。

今回はあくまで求職者と企業との相性を見極めたい立場の人事の観点になりますが、「なぜ自己分析が必要なのか?」という3つの目的について、まずお話しようかと想います。

1-1:初対面であっても、自分を誤解なく相手に理解してもらうため

「自分という人間を、あなたは初対面の人に誤解なく説明できますか?」

これが人事として企業と求職者のマッチングを見極める際にも非常に難しいポイントであり、面接官も日々悩みながら判断をしています。

ここからすでに意外かもしれませんが、面接官も人間ですし、迷う場面はあります。求職者のことをちゃんと引き出してあげられたかな、こういう分析および判断で誤解はないだろうか。一期一会の責任を感じながら、面接内容をみなさんが帰ってから振り返っています。

すでに面接経験を積んで、痛感している人も多いかもしれませんが、人生初の面接というのは、緊張や焦りの影響で事前に思い描いたようには話せません。だいたいこんなはずではなかった、と後悔しながら帰り道で反省している人が多いのではないでしょうか。

筆者も就職活動時代の記憶を掘り起こすと、「その価値観は、いつ頃から芽生えたのか?」「想定外のストレスとは、どう向き合って解消するのか?」など、哲学のような質問たちに戸惑い動揺し、「そういえば、エントランスに飾ってあった観葉植物が素敵でしたね」となぜか急に話題を変えて時間を稼いだものの、季節は春にも関わらず、凍てついた空気になった記憶があります。

何度も言いますが、自分を説明すること、さらに正確に言えば、自分の思考回路のプロセスを言語化することは案外難しいものです。というのも普段みなさんは、おそらく無意識レベルで様々な行動や判断をしているからです。

「この映画を観たら、絶対泣いてやる!」と意気込んで泣く人はいないし、「この先生の授業の話はなんか頭に入ってこないなぁ」と想ってもその思考メカニズムを内省し、客観的に分析しながら生きてはいないはずです。

自分の喜怒哀楽すら、「なんで嬉しいの?哀しいの?」と聞かれたら自分も原因や理由がわからなかったりするもの。こうやって“無意識に生きてきた空白部分を言語化する”ことが自己分析のひとつのゴールになってきます。

だからこそ、相手に自分を誤解なく説明するためには「自分はどういう人間なのか?」を、まず自分が客観的な視点で観察・分析できていなければなりません。

この客観視・言語化するためのツールとして、自分の歴史を書き出して“自分史”を作ってみたり、喜怒哀楽をグラフにして書き出す”モチベーショングラフ”を書いてみたり、いろいろな試行錯誤をしていくことが、自己分析の助けになります。

こういった自己分析の具体的な方法を知りたい方には、また後の章で方法論を書きたいと想いますが、何が正解!というものでもありませんので、とにかく自己分析をすぐに始めたい方はまずは面識のない相手に対して、どんどん自己紹介をしてみてください。

そして、どんな印象を持ちましたか?どんな人間だと伝わりましたか?と感想を恐れずに聞いてみてください。そうして、「自分が想う自分」と「相手が感じた自分」のギャップ(認識の溝)を把握することが始まりです。

「こんな環境だと、自分は挑戦心が刺激されて努力しやすい。」「長所として他人をよく観察し気配りができるものの、短所として相手を観察しすぎるが余り、一人で抱え込んでしまうこともある。」「周りが誰もやりたがらないことがやりたくなる。流行する前のマイナーなものが好き。流行すると興味を失う。」など、いざ言語化してみると、まるで自分の取り扱い説明書のようなものが出来上がっていくはずです。

この過程では、誰かに感謝された話や成功体験談ばかりでなく、自分の短所やコンプレックスの部分などとも向き合うことにもなります。

そんな折に自分のことを否定的に感じてしまうこともあるかもしれませんが、どんな性質や特徴を持った人間こそが優秀だ!など人間の価値は、一概に順位付けできるものではありません。

環境によって、職務内容によって、人間関係によって、“優秀”の定義も全く異なります。あくまで人事が見極めたいのは、組織との相性です。自分は優秀じゃない、あの人は優秀だ、など優秀という言葉をよく耳にしますが、あまり一喜一憂して振り回されない方が良い気がしています。

人間は自分への自信や信頼がなくなってくると、「どうせ〜」など自己否定や自虐的な表現を使ってしまいます。本来は素晴らしい素質があるような方でもこういった状態に陥ってしまうと、本当の魅力が届かなくなります。

もちろん話す内容も大切ですが、自分のマインドを前向きな状態に保っておくことも、誤解なく相手に自分を伝えるためには大切です。自分がありのままの自分を一度認めてあげること。簡単なようで難しいことですが、この機会に向き合ってみましょう。

1-2:自分の意志と自分のストーリーで、志望理由を語るため

「自分の性格や価値観が言語化できたのに、選考に通過できない」「ノート3冊分も自己分析したのに、全然内定がもらえない」「何度も話す内容を練習して、ほぼ丸暗記できているのに盛り上がらない」という、就職活動中の悲しみの声を聞くことがあります。

企業から内定を得るための手段として良くも悪くも“自己分析”だけしか注力していないのであればそれは少し自己分析に対して勘違いがあるかもしれません。

というのも、自己分析は前章(1-1)で申し上げた通り、「自分を客観視しながら、自分の心の動きや思考の癖を言語化し把握しておく」という行為です。

だからこそ自己分析を深めるほど、どんどん自分のことに詳しくなるわけですが、 相手のことにも詳しくなる企業分析を並行して深めることで、お互いの相性のマッチングが初めて判断できるようになります。

自己分析、というのはあくまで今後のアクションの下準備となるものです。料理で例えると、まだ食材に下ごしらえをしただけです。相手に美味しく食べてもらえるかどうかは、本番までまだわかりません。

この下準備を終えた上で、OB訪問や企業説明会、短期/長期のインターンシップ、座談会への参加などで、今度は相手側の価値観やカルチャーにどんどんふれていってください。

いまの時代、社会のIT化が発展したおかげで、家から一歩も出なくともオンラインセミナーに参加したりすることができます。さらに、企業アカウントのSNSの情報発信を見たり、新卒採用のための特設サイトがあったり、選考を受けた先輩や実際にはたらいた社員の口コミが公開されていたり、以前の時代に比べれば、情報収集そのものは簡単になりました。

それだけの多様な情報源がありながら、自己分析の上で、その企業に入社したいストーリーを熱量を乗せて言葉にできないときには、おそらく知識はあっても、心が動いていない状態です。言い換えれば、理解はしているが、共感・実感はしていない状態です。

では、どうやって企業活動を自分事として、まだ入社もしていない状態で、熱意を持って語れる状態にできるでしょうか。

まず、情報収集には2種類あります。

・オンラインでの情報収集(≒企業概要や組織背景の理解、自ら仮説を立てるための情報収集) :企業HP&採用特設サイト、メディア掲載のインタビュー記事、公式SNS、Youtubeチャンネルなど

・オフラインでの情報収集(≒はたらく社員の想いにふれる、自ら共感や実感を得るための情報収集):OB訪問&オフィス見学、社員座談会などの採用イベントへの参加、職業体験型インターンシップなど

人事の側の視点に戻りますが、面接時のコミュニケーション能力(トークが上手いか?)や事業内容を正しくこちらの説明通りに理解しているか?だけで志望度や熱量の高さを測っているわけではありません。

どこまで自分の目で見て、耳で聞きに行った形跡があるか?自分の言葉で“リアリティ”を持って語っているか、というのも入社への熱量や入社後のミスマッチを判断する要素になっています。

自分の足を動かすという主体的な情報収集のメリットは、他にもあります。企業も同じ理想や価値観のもとに集まった、ひとの集合体です。

面白いもので、自己分析と同じようなフレームで過去の歴史や創業の背景、現在の事業内容や競合と比較した際の強み、そして、どんな未来のために成長を続けているのか?という幅広い時系列で、情報収集を重ねていくと、きっとその企業のキャラクターが見えてくるはずです。

「自己分析を経て、言語化できた自分の過去〜現在〜未来のストーリー」と、「企業分析を経て、情報収集した相手の過去〜現在〜未来のストーリー」を自然にかけ合わせることで、「自分の意志と自分のストーリーで、入社したい理由を語る」ということができるようになります。

就職活動をある程度進めていくと「求める人物像」という求人データ欄を目にするでしょう。そして、これがある意味、正解に見えてしまうので数多くの学生の方が、ここに当てはまるように自己アピールをしようとしているのを見かけます。

それ自体が間違っている、というわけではないのですが、みんな同じデータ欄は目にしているわけなので、実際は、そこをアピールする人も一番多い、ということにもなります。

だからこそ今回は「自分の意志」という言葉を使わせて頂きましたが、相手に好かれようとして、自分をはめ込むだけでなく、ちゃんと“自分らしさ”を言語化していくことの方が大切です。結局その少し気恥ずかしいオリジナリティこそがあなたの“個性”であり、周囲との“違い”になります。

PARADOXでは“求める人物像”という言い方が求職者に対しての一方的な要求になる気がしましたので(我々も)”追いかける人物像”という考え方で言語化させて頂いております。参考までに企業HPなどでご覧になってみてください。

1-3:過去の喜怒哀楽をヒントに、今後の将来のビジョンを描くため

「将来のビジョンが描けない」
「そもそもやりたいことがない」
「10年後のことなんて、想像もできない」

就職活動で一番多く受けるキャリア相談がそもそもまだ先の未来のことなんてうまく考えられない、というものです。

これは学生時代の僕も同じでした。最初はどこで何をして、働いてるのかも想像できませんでした。これはある種仕方がない、というか不確定な未来のことですから、わからなくて不安で当たり前です。言語化できない自分を責めないでください。

というのも、就職活動に至るまでの人生において、5年後、10年後の自分の将来や今後の人生設計に関してここまで真剣に考える機会はなかったはずです。

「あなたは、過去どんなスポーツをされてましたか?」「いま、大学ではどんな勉強をされてるんですか?」過去や現在の時点への質問は、これまでも数多くあったでしょう。

しかし、「スポーツ経験から得た強みで、何か今後やりたいことはありますか?」「その大学での学びを経て、どんなお仕事に就きたいですか?」こんな将来に繋がるような問いは、新鮮に感じるはずです。

このように、そもそも普通の生活を送っている中では、未来への問いと向き合うことがまず少ない、という問題があります。

だからこそ、いきなり何もない真っ白なキャンパスに何でもいいからビジョンを描いてください、と言われても不安が大きいでしょう。

では、ビジョンや未来はどのように描けばいいのか?その答えは、自己分析の結果から見えてきたこれまでの過去の出来事における心情と現在の自分の価値観にあります。

なにかの運命的な出会いで、人生がすべて変わってしまった!ということも、もちろん起こりうるかもしれませんが、一般的にみなさんは、過去や現在の自分を分析した延長で、わからないながらに違和感のないビジョンを描くことになります。

とはいえ、入社してからビジョンが変わることは当然起こりうると想いますので、ここでは就職活動の時点での、自分も相手も違和感のない未来像の描き方を考えてみます。

先程、過去と現在の延長で描く、という話をしましたが、たとえば体育会系の団結感の強いチームスポーツをやっていて「熱い想いを持った仲間と、お互い切磋琢磨しあいたい!」「高い理想や目標を掲げて、一致団結している雰囲気が好きだ!」などの価値観が形成されている人がいた場合には、この価値観は、長年かけて形成されたものであればあるほど、おそらく社会人になっても大切にしていきたいはずです。

あくまで一例ではありますが、能力的な強みは、どんどん入社後に成長していくとしても、感覚的な志向は、あまり変わらない側面があります。

だからこそ、まずは事実として、これまでの人生を紐解きながら

・「時間も忘れて夢中になった瞬間はあったか」
・「どんな期待に応えたり、どんな感謝をされると自分は嬉しかったか」
・「自分が許せなかったこと、譲れない頑固な部分はどこにあるか」
・「これまで成長を感じた瞬間に、なにか共通項はあったか」

などなど、価値観の断片を集めてみてください。

それと同時に多様な価値観を持ってはたらく社会人との対話をしながら、自分も共感できること、自分は共感できないこと、そういった感覚を研ぎ澄ましていく情報収集も大切になっていきます。

こちらは社会人と話す練習にもなりますし、なるべく価値観やビジョンが違いそうな日系or外資、大手orベンチャーなど変化の振れ幅が大きそうな相手を選んで話すこともいい気づきや学びがあるかもしれません。いまは社会人に出会えるツールがたくさんあります。

こういった地道な試行錯誤を通じて少しずつ自分の価値観や体験をベースとした延長線上で、未来へのビジョンやストーリーを描けると相手に話していても違和感がないかと想います。

そして、最後は価値観や相性の話ですのでその結果、うまく噛み合わない対話があったとしても、そこまで落ち込みすぎないでください。

あなただけの価値観があるように企業や社会人にも、数多くの価値観があるはずです。次の出会いへ向けて、あえて楽観的に切り替えて、自分のペースでいいので、地道な歩みを止めなければ、心から共感できた!親和性を感じる!という一社にも、いつか出会えるはずです。地道な継続は、最大の近道です。

【2】:効率よく自己分析を進める2つのポイント

自己分析は終わりなき旅、というお話を冒頭でもさせて頂きましたが、自己への理解を深める、という作業は哲学的になっていきますので、問いを深めるほどに、果てしない時間がかかります。

とはいえ、就職活動には期間があります。そういった限られた時間の中でも、人事の立場から、効率よく進めるための2つのポイントをご紹介させて頂きます。

2-1:自己分析は、価値観の違う人と一緒にやるのが近道

僕は、“自己分析”という言葉が良くない気もしているのですが、自己分析は、自分一人だけで取り組まない方が良いです。

自己認知にまつわる有名な考え方として“ジョハリの窓”というお話があります。心理学を専攻している人は聞いたことがあるかもしれません。

簡単に説明すると自己には4種類の状態がある、というもので、

①「公開されている自己」(open self) →開放の窓
②「隠されている自己」(hidden self)→秘密の窓
③「自分は知らないが他人は知っている自己」(blind self)→盲点の窓
「誰にも知られていない自己」(unknown self) →未知の窓

の計4つに分類されます。

この考え方を借りて、説明しますが、自分が机の上で、自分史やモチベーショングラフを通じて認知できるのは、これで言うところの①開放の窓と②秘密の窓の部分だけです。

しかし、就職活動という面識があまりない状態でのコミュニケーションにおいては自分が思い描く自分だけでなく、相手が自分に抱く第一印象や、対話の過程で感じる印象と中身のギャップなど「いま相手から自分はどう思われているか?」という相手の目から見た自分をメタ認知しておくことも大切です。

例えば、第一印象をフラットに教えてくれそうなのはこんな人

・初対面のOB訪問先の社会人

・同じゼミ・サークルの仲間でも、それほど関わりのない人

(もしくは関係の深まった人にも、出会った最初と現在のギャップを聞く)

・アルバイト先のマネジメント職の社会人

その自分の印象へのフィードバックを聞きながら「自分はこういうイメージで思われていたのか」や「自分が想っていた印象とは違う」など、答え合わせをしてみてください。

なかなか本質が伝わらなかったことへの喜怒哀楽もあるでしょうが、これもコミュニケーションの練習です。そして先程のジョハリの窓の③“盲点の窓”を知ることができる貴重な機会です。

「私はこう伝えたつもり」ではコミュニケーションは成り立ちません。誰かを巻き込んだ他己分析の機会も、ぜひ活用しながら実際に「相手には何が伝わったのか」というところを難しいでしょうが、諦めずに把握してみてください。きっと社会人になってからも、その意識は武器になっていくでしょう。

だからこそ、自己分析では他人に自己開示をするハードルもあるかもしれませんが、自分と価値観や人生の背景の違う多様性あるメンバーと一緒にお互いの違いを指摘し合いながら進めると一番客観的な自己分析になるかと想います。

どうしても類は友を呼ぶ、という原理で自分と価値観が似た居心地が良い人が周囲に集まりやすい傾向があります。言い換えれば、イエスマンが集まりやすいです。

同じものを見ても価値観や感想が違う人、「あなたはそう思うのね。でも私はそうは思わない」と言ってくれる人は、近寄りがたいかもしれませんが、自己分析の観点からすると、学びの宝庫のはずですよ。

2-2:自己分析は、こまめに振り返るほど早く進められる

就職活動のスタート期では自分の興味がある会社訪問/インターンに参加して知的好奇心を満たしながら、比較的ワクワクしながら進めている人が多い印象です。

しかし、これが段々と選考フェーズになっていくと提出物やエントリーの締め切りを把握したりバッティングしてしまったイベントの調整をしたりと、どんどん目の前のやることに追われていくでしょう。

・企業・業界研究/インターンシップ

・企業説明会への参加/社員訪問

・スケジュール調整/エントリーシートの記入/

・集団面談/グループディスカッションetc…

実際に書き出してみても就職活動は、その過程でやるべきことが数多く発生します。それを学校や部活、研究室などの学業と同時進行で進めるので精神的にも肉体的にもマルチタスクに追われる忙しい時期になるでしょう。

先程までの自己分析をしよう、というお話もまだインターンシップや選考が本格化していない時期には時間をかけて取り組むことができるでしょうが、就職活動が忙しくなるほどに、分析よりも実践が増え、日々を乗り越えることで精一杯になってしまうかもしれません。

もちろん企業側のスケジュールで動かねばならないことも多く、予定が立て混むことを防ぐのは難しいとは想います。

ここでひとつポイントです。長時間を確保する必要はないので、インターンシップに参加した後の移動時間や、面接に取り組んだ後の帰り道など、どこかでアクションを振り返る時間を早めにつくりましょう。

エビングハウスの忘却曲線という学説によれば、ひとの記憶は復習をしなければ翌日には74%忘却しているそうです。忙しいほどに「また後日にまとめて振り返ろう」と思いがちですが、そもそも後になって何も覚えていない、というリスクがあるわけです。

何社かの選考を経験しても、どうも面接がうまくいかない、そう思ったタイミングがあったとします。「次はきっとうまくいく!」と自分を鼓舞することももちろん大切ですが、不本意な結果が続くときには、原因を振り返る時間が必要です。

例えば、面接の場で話している自分のエピソードを一度録音してみて聞き返してみてください。話し手としての「こう伝えたい!」と聞き手としての「こう聞こえた!」という2つの立場を経験してみると、印象が違うことも多いです。

何度も場数を踏む意識だけでなく、行動の結果を冷静に振り返る時間を生み出すことで、次回アクションにも「ここがテーマだ!」という意識が生まれるはずです。

この自主的に振り返る習慣と次回アクションへの目的意識があるか・ないかでは、大きな差が生まれるのではないか、と人事として感じることがあります。

弊社のインターンシップでも冒頭にて必ず「あなたは、今日は何のためにインターンシップに参加しますか?」と、目的に対する問いから始めさせて頂いています。

インターンシップや企業説明会の時間が長く感じる、なかなか集中力が最後まで持続しない、最後の質問タイムでなかなか質問が思いつかない、などの状態に心当たりがある場合にはこの事前の目的意識を整理しておくことで変わるものがあるかもしれません。

就職活動において、面接や課題が終わった後に「次回に向けて、何か僕にフィードバックをくれませんか?」など人事の立場の僕も活用しながらPDCAサイクルを回している方も見かけます。

就職活動において明確な成果が出て喜びを感じるのは、最後に訪れるほんの一瞬の出来事でしょう。そこに至るまでの大部分は、いつか理想的な結果に繋がると信じて準備に費やしていきます。この準備期間中のプロセスではわかりやすい成果が出ないので、成長感や達成感が感じづらくモチベーション維持が難しくなってきます。

だからこそ、RPGゲームのレベル上げの感覚にも近いかもしれませんが、自分でこまめに振り返りながら小さな改善目標などのゴールポイントを置いて、そこで成功体験を主体的に生み出していけると、長期戦の中でもモチベーションを上げる機会を増やすことができます。

こういった小さなチューニング(自己対話)を欠かさない人ほど、就職活動においては、スピード感を失わずに進んでいくことができるはずです。

【3】:オススメの自己分析フレームの紹介

ここまで語らせて頂いた“自己分析”ですが、就職活動を始めて間もない段階では、自分らしい強みや価値観はなにか?といきなり問われても、最初は自信が持てなかったり、そもそも何が自分にはあるのか?と思い浮かばないこともあるでしょう。

そこで僕が数々の試行錯誤の末に、一番オススメできて簡単に自分の大切にしている価値観を抽出できるパーソナルブランディングワークショップをご紹介します。

そして、パーソナルブランディング事業に関心がある、自己理解を深めるようなイベントに参加してみたい方は大阪・福岡・沖縄にある、弊社のコワーキングスペースを一度訪問してみてください。個人のストーリーを言語化していく、プロフェッショナルたちが在籍しています。

→大阪:Visions LOUNGE(大阪)
→福岡:Visions LOUNGE(福岡)
→沖縄:Topothesia

3-0:これまでの人生をグラフ化して、出来事と心情をセットで分析するワークショップ

すべてのワークショップへの下準備とも言えるのが、自分のこれまで歩んできた人生を可視化して整理しておくことです。人生年表やモチベーショングラフなど、様々な呼称がありますが、要は、過去の出来事を一度洗い出して、その後言語化した際に、引き出しを開けやすくしておくワークショップです。

やることはシンプルで、紙とペンさえあれば、いつでも取り組むことができます。下記に一例として記入フォーマットを掲載しておきます。

最初の自己分析としてオススメなのが、これまでの人生の変遷をこのように可視化しておくことです。

ここで終わっても良いんですが、まだ余力のある人は、人生の主なイベントを書き出し終わったら、今度はその出来事と当時の心情にフォーカスして考察を深めてください。

そして、各時代での喜怒哀楽を通じて現在の価値観形成に大きく関わったであろうメモリアルエピソードを抜粋しておきましょう。

限られた面接の時間では、伝達情報の取捨選択がその後の印象を大きく変えてしまいます。

限られた短い時間の中で、自分の人格や価値観を相手に理解してもらうためにはただ過去の一時点のエピソードを詳細に紹介するだけでなく、自分なりに考察を深め、その後の人生への影響までAfterストーリーとして添えてみましょう。

あなたの現在のキャラクターは、理由なく突然定着したものではなく、これまでの重要な場面での決断や忘れられない出来事における心情など、数多くの経験の結果として、構築されたものです。

「その出来事があってから、以降は〇〇を常に意識するようになった。」

「この出会いの影響で、〇〇に夢中になり今でもそれは変わりません。」

など、「過去のエピソード+それが現在とどうリンクしているか」というセットで話す意識を持つことで、面接官との対話を短時間であってもより深い対話をしながら進めることができるでしょう。

 

これは余談ですが、自分の人生の出来事だけでなく家族関係や幼少期の環境面も、価値観形成に大きく関わっていることが多いとこれまで数多く面接をしてくる中で感じます。

自分の人生だけでなく、家族のストーリーまでも視野を拡げて考えると思わぬ気付きや発見があるかもしれません。

3-1:複数の価値観キーワードから、自分の潜在意識に気づくワークショップ

まずは下記のような人柄や価値観を表すキーワードを羅列しているリストを用意しておきます。

このリストの場合にはおよそ100近い言葉をリストアップしていますが、なるべく種類や性質の違う言葉が並んでいる状態で実施できると分析しやすいでしょう。

こちらに目を通しながら自分の心に残るキーワードや共感できるキーワードに印をつけていきます。この時点では、まだ深い考察は入れすぎず直感的な心理テストのようにピックアップしてください。

まずこの作業工程を通じて、3-5個程度のキーワードを抽出できているとこの後のワークショップがはかどります。数多く共感してしまう人はさらに抽出したキーワードの中から印象が強いものを厳選できるといいです。

そして、その3-5個程度のキーワードを今度は別のワークシートに転載します。

上記の3-5個程度のキーワードを抽出できた状態で価値観の深堀りをするワークシートへと分析を進めていきましょう。

こちらでは、自分が選んだ価値観キーワードをひとつひとつ「なぜ自分は数ある中から、この価値観を選んだのだろうか?」と過去の自分の経験やエピソードを振り返りながら、考察を深めてみてください。

直感で選んだキーワードとはいえ、100個程度の中から印象に残った時点でその日の単なる気分ではなく、何かの自分との結びつきがあるはずです。

上記のシートに例文でも記入されていますが、例えば「独創」というキーワードを抽出した場合には、「そういえば、昔から“変わっているね”と評価されることが嬉しかった」「人と同じことをやりたくないので、マイナースポーツに魅力を感じた」など、これは後からの人生への意味付けにも近いですが、様々な仮説を立ててみてください。

実際の面接の場でも、「私は独創的な思考が強みです!」とアピールをして、そのまま「そうなんですね」と対話は終わらないでしょう。きっと「どうしてそう想いますか?」や「どんな場面で発揮しましたか?」などさらに抽象から具体へと、質問を重ねてくるはずです。

そんなときに、こういった価値観としての単語レベルではなく過去のエピソードと紐付いたストーリーレベルで思考整理ができていると相手に説得力を持って、自分の価値観を理解してもらうことができます。

今回は省略しましたが、この下準備として先にモチベーショングラフなどの手法を用いて過去の経験を整理できていると、さらにスムーズに紐付けることができるでしょう。

3-2:ペアインタビューを通じて、自分の価値観に実感を深めるワークショップ

そして上記のようなワークショップで価値観の抽出ができた人が自分の周りに複数名いる場合には、ぜひペアインタビューまで発展させてみてください。

インタビュー項目はこれが正解!というよりは臨機応変になんでもその場で考えて頂ければ良いと想います。一応、下記にインタビューフレームの記載されたシートを掲載させて頂きます。

あくまで参考程度に使ってください。質問内容への配慮も大切ですが、まずは楽しそうに対話し、リアクションを交えて聞くことが優先です。

そして、普段の雑談とは違って意識してほしいのは、話題や論点をどんどん変える広くて浅いインタビューではなく、同じ話題や論点のまま、「なぜ?」を繰り返すようなインタビューをしてみてください。

では、「なぜ?を深めていく問い」とはどんなものなのか、先程の独創を選んだ方へのグループワークインタビューを例に考えてみましょう。

(聞き手)
「なぜ100個あるキーワードの中から、独創を選んだのだと想いますか?」

(話し手)
「そうですね。最初は直感かと想っていましたが、後から振り返ってみると、小学校のときから変わっているね、と周囲に言われることが嬉しくて、ついつい誰もルールを知らない遊びを習得して、まわりに広めたりしていました」

(聞き手)
「なぜ周囲の方から“変わっている”と言われることにそこまで執着するようになったんでしょうね?」

(話し手)
「大きかったのは家庭環境かもしれません。一人っ子で僕には兄妹がいませんでした。共働き夫婦だった両親は、僕の学校での話を聞くのをとても楽しみにしてくれていたので、そこに面白い話題を持ち込んで家族を笑顔にすることに躍起になっていた気がします」

(聞き手)
「周囲とは違う、独創的な体験を積むことでご両親に楽しんでもらう機会を増やしたかったのかもしれませんね。いま現在も、このオリジナリティへのこだわりみたいなものはありますか?」

(話し手)
「そういえば最近の大学生活でも、ちょうどアイデアへのこだわりを発揮したことがありました。大学の文化祭の実行委員をやっていまして。これまでは、各ブースの出店先の決め方がくじ引きだったんですけど、それだとお客さん側から、どこに何が出店されるかバラバラで把握しづらいと考え、先輩たちや他の部署のメンバーも説得しながら、各エリアごとにコンセプトを決めて出店先を振り分けるようにしましたね。こうやって、今まではこうだった!ということに対して疑問を覚えることが多いです。」

(聞き手)
「僕はあまり人の意見を疑ったり、反論するのが苦手なので、尊敬します。でも、それをやりすぎると周囲から“面倒なヤツ”と思われる気もしていて。なぜ〇〇さんは、当たり前のように疑ったり反論できるんですか?」

(話し手)
「最初の家族を笑顔にするために、変わった体験で目立つように張り切っていた。ってことと通じるかもしれないんですけど、自分は反論することに快感を覚えてるわけではなくて、その先で誰かに喜んでもらいたい!って気持ちの方が根源にあるんですよ。この文化祭のときも、自分がやりたいんだ!ではなくてこの方がお客さんが喜んでくれるんじゃないかな?どう想う?という姿勢で議論を交わすようにしていましたね。」

(聞き手)
「とても勉強になります!僕は反論=自我を出す、と勝手に思い込んでいたので、こうやって目的をはっきりさせた上で反論すれば、周囲も納得してくれるわけですね。じゃあ、もっとお聞きしたいんですが・・」

※この後に、話し手と聞き手を交代して、再度インタビューしてください※

このような正解のない抽象的なインタビューは話の脱線も含めて、自分の思考を瞬間的に言語化していくことになるでしょう。これこそ緊張や不安もあるでしょうが、本番の面接や選考でも活用できる、“生きた言語化”につながるはずです。

そして、もう一つこのインタビューワークの大切なポイントが自分のことを話すパートだけでなく、相手のことを聞き出すパートがあることです。

おそらく自分のことを言語化するよりも、相手に気持ちよく話してもらうことの方が難しいかと想います。こういう質問をすると、こう返ってくるのか!という予想外もあるでしょう。これまでの人生もそうだったようにどんなコミュニケーションも相手がいるからこそ成り立ちます。

面接では、面接官が自分の運命を左右する恐ろしい存在に見えると想いますが、ここでもぜひ対話の意識を忘れず、相手にも問いを投げかけてみてください。きっと何も返ってこないということはないはずです。

自分ばかり話すだけでは、価値観や思想のマッチングはわかりませんし、何よりお互いの自己開示がある対話の方が雰囲気も和らぐのではないでしょうか?どんな立場や肩書きがあっても、相手は人間です。その人の人生があります。このインタビューワークもそうですが、1冊の本を読むように、1本の映画を観るように、相手の物語を楽しんでみましょう。

そしてインタビューワークが終わったあとには、前章でもありました振り返りの時間を確保しましょう。

[主なインタビューワーク後の振り返りのポイント]

・相手の価値観を聞いて、自分はどう感じたか?共感した部分/共感できなかった部分はどこか?それはなぜか?

・インタビューを受けみて、自分の価値観選択に違和感はなかったか?もっと価値観を別の言葉で表現できる可能性はないか?

・次回へ向けた改善できそうなポイントの洗い出し。

このあたりを振り返りながら試行錯誤を重ねた前提で、何度かインタビューワークを繰り返していけば、場数で慣れていく部分もそうですが、自分の納得感ある言葉で受け答えができるようになっていくかと想います。

これまで何百人と面接をさせてもらっていますが、自分自身の話であるにも関わらず、どこかから借りてきたような言葉遣いで話してしまう方が毎年一定数いらっしゃいます。

これはあくまで僕の考えではありますが、「丁寧なコミュニケーション」というのは丁寧な言葉遣いを徹底すればいい、事前に練習した通りに話すことができればいい、ということでなく相手に伝わるようにと、創意工夫や気遣いのある対話のことだと想います。

事前に緊張して口下手になりそうなことがわかっているのであればなにか図解でわかるような補足資料を作っておくなども工夫の一例ですね。

そういた気遣いや工夫を自分のために尽くしてくれた人は、感謝を感じるとともに、面接の場に限らず印象に残りやすいのではないでしょうか?

3-3 自己分析の結果から過去〜現在〜未来を一本のストーリーにしていく方法

ここからはある程度、自己分析が進んだ先の話もしてみたいと想います。

先程のワークショップやインターンシップ参加など、数多くの場数を経て、自分のことに関する言語化された情報が集まったとします。

今度は膨大になりすぎた情報に対して、一体何から話せばいいのか?と優先順位が付けられず困ってしまう人もいるかもしれません。

その際には、情報を時系列で整理してみてください。大きくは、過去・現在・未来の3つの自己分析での分類です。

それぞれの情報整理で意識したいポイントもまとめておきます。いよいよここまで来ると、自己理解も集大成です。

 

【過去の自己分析】〜どんな人生を歩み、その経験が他の経験とどう繋がっているか?〜

・過去の経験を、モチベーショングラフなどをもとに可視化してみる。

・それぞれの経験を通じて、自分は何が変わったのか影響を書き出してみる。

・それらの影響が密接に関わって発生していそうな他の出来事と紐付けてみる。

★目指したいゴール

過去の出来事の点を、線でつなげてみる。複数の出来事の相互関係性を誰かにストーリーで語れるようになる。

 

【現在の自己分析】〜いま形成された価値観や、過去の経験から得られた強みはなにか?〜

・まずは価値観ワードの選択ワークなどを通じて、自分の現在地点の価値観を洗い出す。

・過去パートでの情報整理も踏まえて、過去のエピソードと現在の価値観をセットにする。

・自分の今までの人生で誰かから驚かれた/感謝された経験を書き出して並べてみる。

・なぜ驚かれていたのか?自分はどんな行動していたのか?を思い出す。

・なぜ感謝されたのか?自分は何を価値として発揮したのか?を思い出す。

・その場面で発揮していた行動や価値を、強みとして言葉すると何になるのかを考える。

★目指したいゴール

価値観や強みの言語化。その価値観や強みがどんな出来事がきっかけになったのかを語れるようにする。

 

【未来の自己分析】〜今後どうありたいか?どう生きることを幸せに感じそうか?〜

・先ほど言語化した価値観や強みから、価値を発揮できそうな状況や仕事を想像してみる。

・誰かに言われたわけでもないのに、感情が動くような世の中の課題や出来事はあるか。

・これまでの人生から形成された信念、もう繰り返したくない挫折経験などから、今後の人生における理念やスローガンを言語化してみる。

★目指したいゴール

自分にとっての幸せを把握しておく、理想の在りたい姿や信念を語れるようになっておく。

【4】:本当の自己分析とは?お互いが幸せになれる就職活動とは?

いよいよ最後の章になりました。

この自己分析の記事で最後に伝えたいことは、あくまで自己分析を「自分が 幸せに生きるためのツール」として活用してほしいということです。ここま で何度も繰り返しお伝えしてきましたが、最後の章でもう一度だけお伝えさせて頂きますね。

さらには自分を苦しめるためや、自分の嫌いな部分を増やすために自己分析をしてほしくない、ということです。

もちろん自己分析のプロセスとして自分の弱みや過去のコンプレックスを思い返すことはあるでしょう。そこでは、しんどい想いをするかもしれません。

ところで、みなさんは、自分の決断力には自信がありますか?決断する立場は損や責任が伴いそう、だから誰かに任せたい。必要に迫られるまでは先延ばしにしておきたい、正解のわからないものの決断なんて正直したくない人も多いでしょう。

しかし、就職活動だけに限らず人生には「自分が決めないと前に進めない」場面がきっとこの先に待っています。

そして、何かを決めるためには「意志」や「理由」、「自信」などが必要になってきます。

それらを育むためには自己分析という自己対話を通じて、自分という人間を最終的に好きになってあげられるか、というところが鍵なんじゃないかと僕は想っています。これは、優秀だから好き、完璧だから好き。という話ではなく、自分の弱みや失敗したことも含めて、でも自分はこうだもんな。とありのままを認めてあげる意味での、好き、という話です。

ナルシストになる必要はありませんので、周囲と比較して劣等感に苛まれたり、卑屈になりすぎることがないように、自分という人間の存在価値を、自分がまず認めてあげてください。

自分が意思決定に関わると責任が伴います。失敗したときの挫折感も大きいでしょう。しかし、誰かに決めさせらた意思決定であっても結局やることには変わりないですし、責任だって発生します。

環境や他人のせいにしても、変わらないことが世の中には数多くあります。そこに囚われると愚痴を言うことしかできません。

たとえ自分で決断してうまくいかなかったとしても、また自分に手元にボールが返ってくるだけです。落ち込むこともあるでしょうが、自分の意志でまた前に進んでいくことができます。

「あのときに違う選択肢を選んでおけばよかった」「あの頃に戻ってやり直したい」など、過去の選択にいくら後悔を感じても、もうその機会は取り戻せません。これからの未来も含めて、「次に決断に迷うことがあったらどうするのか?」「何を基準に選択をすれば後悔しないのか?」ここを一緒に考えていきましょう。まったく後悔のない人生は難しいとしても、意志を持って生きたと満足できる人生は存在するはずです。そして、意志を持って選ぶことで、その後の人生への覚悟や努力が惜しみないものになるでしょう。

そのまず第一歩として、自分の意志に素直になること、そもそも自分の意志を自覚するために言語化していくこと、この練習の場として就職活動の期間を使ってください。

そんなことを願いながらも、いまの日本人は、自分の意志を持って幸福に生きている人は少数派かもしれません。

それは日本人の自己肯定感の低さを示すデータや日本の世界幸福度ランキングの低迷などを見ればわかります。

ここは株式会社パラドックスの事業としても解決していきたいところですが、就職活動では誰しもが通る、この“自己分析”を通じて、「最終的に自分を好きになれた」「この人生を誇りに思う」そういった感情を抱いてくれる人がもっと増えることを願っています。

僕は人が持つ可能性や意志の持つエネルギーを信じて今後も目の前の人生に、ひとつひとつ向き合っていくことで貢献できればと想っています。

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Writer

渡邊 翔

株式会社パラドックス 人事 / キャリアコンサルタント。2015年4月、パラドックスに新卒入社。ディレクターを経験後、コワーキングスペースTopothesia(沖縄県宜野湾市)の運営に参画し、計400名以上の沖縄の就活生のキャリア支援を担当。2017年4月、Visions LOUNGE UMEDA(大阪府大阪市)に着任。人事担当として自社採用・インターン運営をしながら、年間およそ1000名の学生たちのキャリア面談やセルフブランディングのサポートをしている。